米国・バーモント州のホテルに、世界各国から若手社会起業家が集結した。集まったのは、オランダ、アイルランド、日本など11カ国の若者たちで、ビジネスの力で社会を良くしていくための戦略を話し合った。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

バーモント州は自然に囲まれており、メインストリートにはレンガ造りのおしゃれなお店が並ぶ

バーモント州は自然に囲まれており、メインストリートにはレンガ造りのおしゃれなお店が並ぶ

ソーシャル・ビジネスの会合が開かれたのは、5月17日夜(日本時間5月18日)。世界中から若手起業家を呼び集めたのは、バーモント州に本社を構えるアイスクリーム会社のベン&ジェリーズだ。同社は、ただのアイスクルーム屋ではない。創業以来、投票率向上や環境保護キャンペーン、GMO(遺伝子組み換え作物)表示の義務化など、さまざまな社会的課題の解決に取り組み、世界35カ国にファンをつくってきた。

バーモント州にあるベン&ジェリーズ

バーモント州にあるベン&ジェリーズ

同社では、若手社会起業家の支援を目的とした、ビジネスコンテストを2012年から行っている。2014年は、ヨーロッパとアジア11カ国で開催し、それぞれの国の代表を決めた。今回の会合に集まったのは、その代表者たちだ。

シンガポール代表は、若者向けにお金のとらえ方を学ぶアプリ「プレイムーラ」を開発した。同アプリでは、ゲーム内で架空の人物を育成し、大学進学や結婚、出産などのライフイベントを経験するごとに、費用を支払っていく。生きていくと、どれくらいお金を使うのか、ゲームのなかでシミュレーションできる。

「お金」について学ぶ「プレイムーラ」を開発したシンガポール代表チーム

「お金」について学ぶ「プレイムーラ」を開発したシンガポール代表チーム

アプリは無料で、これまでのダウンロード数は6万5000を突破した。ゲームを楽しんでいる中心は、20~25歳の若者だ。プレイムーラ共同代表のオードリー・タンさんは、「お金が原因で、ストレスを感じ、うつ病になってしまう人が多くいる。しかし、お金だけが人生の幸福を測るものさしではない。そのことに気付いてほしく、ゲームを開発した」と話す。

日本の代表は、NPO法人Homedoor(大阪市北区)。同団体は、大阪を拠点に、シェアサイクルビジネス「HUBchari(ハブチャリ)」を行う。大阪市内の放置自転車を、ホームレスや生活保護受給者が修理し、有料で貸し出している。代表は、若干24歳の川口加奈さん。

これらの起業家以外にも、ユニークな面々が揃った。イギリス代表は、空き家をボランティア向けに貸し出すサービスで、スウェーデン代表は、地球温暖化を防ぐためのレシピを提供した。

同日集まった若手起業家たちは、これから約1週間、ベン&ジェリーズの社員とともに、ディスカッションを繰り返し、ビジネスでより多くの社会的課題を解決するための方法を探る。

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