父親に子育てを楽しもうと啓蒙しているNPO法人ファザーリング・ジャパン(東京・文京)が、高齢者向けに「イクジイスクール」を開講する。

イクジイのイメージ画像 写真提供:イクジイプロジェクト


同団体は2011年4月に「イクジイ(育爺)プロジェクト」を立ち上げ、「笑っているおじいちゃんが社会を救う」として、中高年男性の意識改革、孫育て及び地域の孫育てを推進する事業を展開してきた。安藤哲也代表理事は言う。

「沈滞する経済、遅々として改善されない労働環境、貧困・ワーキングプア世帯の増加など、現代は子育てがしにくい。核家族化や共働き家庭の増加で子育てが『孤育て』になり、子どもをめぐる事件や虐待問題も多発。子育てに関わりたくても難しい父親も多い。

一方、団塊の世代が定年を迎え始め、元気で時間もある中高年男性が増えている。彼らに孫育てに積極的に関わる『イクジイ』となり、親たちの補完をしていただきたい。イクジイの役割は、経験やスキルを社会に還元し、次世代に伝えていくこと。

祖父母世代と親世代、孫世代との世代間交流を図ることで、地域の活性化、防犯・防災・教育力の向上が図れる。イクジイ自身のエンパワーメント、セカンドキャリア、セカンドライフの充実も期待できる。『イクジイスクール』では、これらの現代の子育て事情と課題を体系的に学び、親世代との交流・相互理解を図り、受講者の社会貢献活動の契機としたい」

「イクジイスクール」は京華スクエア・ハイテクセンター (東京・中央)で6月11日の月曜日から隔週で開催され、5回で完結。講師には安藤代表理事のほか、元NHKアナウンサーの村上信夫氏などが参加する。(今一生)


●イクジイプロジェクト
http://www.fathering.jp/ikujii/