千葉県松戸市にあるオーガニックカフェ「CAMOO(カムー)」は、新婚夫婦で営んでいる。店長はシェフも務める夫の伊藤淳さん、妻である天子さんは企画を担当する。淳さんは、「農薬や化学肥料を使用しないで、生命力に溢れた食材を使用している」と話す。
カムーで提供している料理は地球に優しい。パスタ、玄米ランチ、オムライス、季節の野菜料理とオーガニックドリンク、そして手作りのオーガニックケーキ、どれも調味料までこだわったオーガニック素材で作る。
スタッフや伊藤夫婦が耕す自然農法カムー菜園野菜のほか、スタッフがセレクトする全国の野菜は、放射能測定を受け、人体に影響のない野菜を厳選している。
伊藤さんが無農薬にこだわりをもったのは、先祖からの教え。「おじいさんが水や農業関係の仕事に関わっていた。その代から、オーガニックへのこだわりはあり、影響を受けている」。耕している田んぼは、先祖から受け継いだものだ。
無農薬で作る食材のよさをこう話す。「本物の美味しい野菜は、育てた土も生きている。安心して食べられるから美味しいと感じてほしい」。
淳さんは、カムーを「オーガニックファミリーレストラン」と呼ぶ。キッズスペースなどを設けて、家族で楽しめる空間を提供する。家族向けにしたきっかけは、去年9月に生まれた第一子にある。
カムーの2階には自宅があるが、スタッフがいなく、忙しい時には、娘を段ボール箱に入れて監視しながら料理の仕込みや、接客を行う。お客さんからあやしたてられて、生後9カ月の娘は早くも看板娘だという。
結婚をして、「両親が、じいちゃんばあちゃんになり嬉しそうな顔を見るのはとても幸せを感じる」と話す。「震災後にプロポーズをしたのですが、まだまだたくさんの山積みの問題を一緒に考えながら暮らしています。ですが、毎日をより大切に過ごし、どんなこともありがとうと言える夫婦であることを、心がけて生きるようになった気がする」。
子どもが生まれたことで、未来について考えるようになったと淳さん。無農薬へのこだわりもより一層強くなり、安全で美味しい料理へ日々精進している。松戸に来た際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろうか。(オルタナS副編集長=池田真隆)