不登校やダウン症の子どもたちの支援などを行うNPO法人トイボックス(大阪市西区)がプロボノワーカー(仕事の経験やスキルを生かして社会的活動に参加する社会人ボランティア)の援助でホームページをリニューアルしてから1年たった。リニューアルのきっかけや成果について白井智子代表と栗田拓事務局長に聞いた。(聞き手・オルタナS関西特派員=穴吹 美緒)

(写真左から)栗田拓さん、白井智子さん、NPO法人サービスグラント関西事務局長の岡本祥公子(おかもと・さよこ)さん=トイボックス(大阪市西区)

――依頼の経緯は。

白井:現場対応に追われホームページまで手が回らず、なんとかしなければと思っていました。プロボノワーカーを紹介し、NPOの支援をしている NPO法人サービスグラント(関西オフィス大阪市中央区)とご縁があり、2012年4月から7人の社会人とともにリニューアルに取り組みました。その後、大阪の課題解決を目指す人が集まる「大阪を変える100人会議」でも事務局との親交を深め、次のコラボレーションを模索しています。

――制作の過程は。

栗田:20代から50代のプロボノワーカーに集まってもらい、始めに情報を発信する目的から一緒に掘り下げました。私たちは不登校児のための教育やダウン症児者のためのダンスレッスン、公共施設の管理運営や商店街の活性化事業を通したまちづくりなど、おもちゃ箱の中身のように多種多様な事業を行っています。

メンバーは現場見学や、スタッフだけでなく参加した子どもの保護者にも聞き取りをすることで「子ども達と親を元気にするプロフェッショナル集団」「子ども達と親が元気でいられる社会を作ることを目標とするNPO」という共通の理念を再発見し、事業同士のつながりを明確にしてくれました。

――リニューアルによる変化は。

白井:組織の外部と内部で起こりました。外部の変化としては、より深く理念に共感した人が来訪してくれるようになり、寄付も増えました。一方内部でも、外部の目線が入ったことで現場に話し合いが生まれ、改めて仕事の意味や事業の位置づけを考えるようになり、限られた時間を優先すべき仕事に投資できるようになりました。

当時関わっていたメンバーとは今でも仲が良く、プロジェクト完了後も定期的にアドバイスをもらったり、個別に仕事を依頼したりしています。ここでできた縁を大切にさらにまい進していきたいです。

トイボックス:http://www.npotoybox.jp/toybox/
サービスグラント:http://servicegrant.or.jp