メイクアップアーティストであり、女性クリエイティブチーム「Mar United」(マールユナイテッド)代表として数々のイベントプロデュースをこなす、ヒラノマリナさん(30)。地元鹿児島の南日本新聞、130年記念の特集では、鹿児島を代表する7人のうちの1人に選ばれ、地元では有名人。最近では、地元鹿児島をテーマにした「SATSUMATSURIさつまつり」というイベントや「Mar United 被災地支援プロジェクト」を行っている。NY、東京、鹿児島を舞台に活躍する彼女の素顔に迫る。

■ メイクアップアーティストへの道
人をキレイにすることに興味はなかった。中学生の時から「どうしたら面白くなるか」と笑いをとるために人の髪を切っていたという。東京の美容専門学校を卒業後は、特殊メイクができる先輩がいる事務所に所属した。しかし、そこでの仕事は人をキレイにするメイクの仕事であった。幼いころから海外へ行きたいという願望があり、3年後に独立してお金を稼ぎ、NYへ飛んだ。

■ 地元、鹿児島への愛。女性による女性のための会社設立
NYでは、主にNYコレクション、雑誌、ウェブ用のコレクション撮影のメイクを手がけた。撮影現場で胸が踊っている自分がいて、25歳で自分の仕事が大好きだと気付いた。

そんな中、NYでは鹿児島のことを知っている人が少なかった。鹿児島を知ってもらいたいと強く思うようになる。さらに、鹿児島は開拓されていない部分が多く、可能性があると思った。何かできないか。そこで帰国後、2009年に様々な分野で活躍する女性クリエーターを集めたチームを作り、株式会社Mar Untied(東京・目黒)を設立。

2010年3月22日に鹿児島とNYを繋げるジャズコンサートを鹿児島で開催。鹿児島を世界一美人の多い街にすることを目標に、メイクのレッスン教室「鹿児島美人計画」を実行。東京では、鹿児島の美味しいものを集めて祭りをしよう!と「SATUMATSURI さつまつり」 を2009年から企画。

第6回目が2011年11月26日恵比寿で開催された。会場には約130人が集まり、鹿児島の名産や、ヘアメイク、占い、似顔絵などのコンテンツを楽しんでいた。会場のクリスマスツリーには名産品のさつまいも、さつまあげ、黒豚の写真が大胆に吊るされていた。参加者は黒豚しゃぶしゃぶなどの名産やお酒を堪能していた。

■ 被災地支援のレディースキット
Mar Untiedは、8回に渡り東北の被災地支援活動を行ってきた。東京で5回、鹿児島で2回、メイクアップ、ヘアカット、似顔絵の提供、ヘッドアクセサリーやエコバックの販売などをするチャリティーイベントを行った。さらに、支援物資として、シャンプー、ボディソープ、歯ブラシ、カミソリ、ハンドクリーム、コームなど女性が必要としているモノを集め、「レディースキット」として被災地へ送っている。

8回目のプロジェクトでは、実際に宮城県女川町を訪問。ヘアメイク、写真撮影、マッサージ、ライブ、似顔絵、エコバックやシュシュを作るワークショップを開いた。女性だけのチームだから女性目線で考え、「女性に笑顔を取り戻してもらうこと」ができる。Mar Unitedは、NY、東京、鹿児島だけでなく、被災地の女性をもキレイにして笑顔を届けている。

■ 利害関係のない人間関係。単純に楽しいという気持ちが言動力に
日本でメイクの仕事だけをしている時は、仕事関係者からの目を気にしていた。大人になってからの友人は、利害関係で物事を考えてしまいがちだった。しかし、Mar Unitedの活動で新しい仲間が増えた。利害関係のない人たち。

「単純に楽しい。この人好き。人としての正しい接し方ができる。」そういった人間関係を作っていきたいと語る。このような思いで活動を行い、様々な人との出会いや新しい発見があり、人がつながっていくのがとても楽しいという。

■ いつでも自然体で飾らないヒラノさん
インタビュー当日は、ほぼノーメイクであらわれたヒラノさん。メイクのポイントを聞いたところ、普段は薄いメイクにして、「ここぞ」という時にしっかりすることでメリハリをつけるのが好きだという。目鼻立ちがはっきりしていてキレイな彼女。恋愛について聞いてみると・・・彼女は全力で恋愛をするタイプで、彼がいた方が仕事を頑張れるという。

自然体で、欲がない人が好き。基本はずっと一緒にいたい。でも本業とは別に、様々な活動をしているので一緒にはいれない。だからそのことを理解してくれて、価値観が一緒で鹿児島が好きな人がいい。一緒に帰れたら楽しみが2倍。1人より2人の方がずっと楽しいと話す。

「みんなで面白いことができたら。」人とのつながりを大事にして活動する、女性による女性のためのクリエイティブチーム。鹿児島を原点に、東京、被災地、そしてNYの女性をキレイにする、Mar Unitedから今後も目が離せない。(オルタナ特派員=かとうりさ)

■ Profile ヒラノマリナ
1981年3月鹿児島市生まれ。東京の美容専門学校を卒業後、ヘアメイク事務所で経験を積み、2004年に独立。2006年にNYへ単身渡米、ファッション雑誌、広告、コレクションなどで活躍。2009年に帰国し、(株)Mar Unitedを設立し、代表を努める。現在は、ヘアメイク、「SATSUMATURI(さつまつり)」やライブコンサートなどのイベントプロデュース業を手がける。「Mar United 支援プロジェクト」として被災地支援活動を精力的に行っている。
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