2006年ごろから世界各地に貼られたステッカーの「BNE」が、男性の落書きアーティストの名前であり、昨年、非営利団体「BNE ウォーター ファンデーション(水基金)」を米国に設立したことが明らかになった。
BNEのステッカーは東京やニューヨーク、サンフランシスコ、プラハ、バンコク、香港、 マドリード、クアラルンプールの電信柱や電話ボックス、ビルの壁などに貼られ、各国のテレビ局なども報道していた。
この男性アーティスト「BNE」の国籍は不明だが、「話すアクセントなどから、ニューヨーク出身だろう」(米テレビ局NBC)との報道もある。基金のホームページには「日本語版立ち上げ準備中」との表示もあり、活動には日本人も関係していると見られる。
同基金のホームページによると、「世界では10億人が清潔な飲料水を飲むことができず、毎週42000人が清潔でない水によって命を落としている」と紹介、途上国の飲料水問題を解決するために募金を呼びかけている。これまでに31426ドル(約250万円)が集まったと公表している。
ホームページでは、基金立ち上げについて、「世界各地に作品を広める旅程で、最貧困層の暮らしぶりや、圧政に苦しむ人々の姿を目の当たりにした。グラフィティは本来、『声を持たざる者』のためのアートフォームだ。グラフィティと自分の作品の持つ力を彼らのために活かすことを決意した」ことが理由と説明する。
同基金は、インドネシアの貧困地域で、井戸や浄水器などの設置、公衆衛生についての基本的なトレーニングを実施している。インドネシアでは約20ドルで1人に10~20年間、清潔な水を供給することが可能だという。
活動資金はホームページ上で寄付を募るほか、賛同するアーティストの作品やBNEのロゴが印刷されたTシャツ(40ドル、約3200円)、スケートボード(100ドル、約8100円)などを販売することで調達するという。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)