持続可能で平和な世界の実現を目指すイベント「WorldShift’12(ワールドシフト) Vol.1」が10月28日、京都にて行われた。第1回目となる今回のテーマは「これからの世界を生き抜くすべとは?」。識者による講演や未来について考える対話型ワークショップなどが開催された。

当日のイベントの様子


講演した登壇者は2人。青年海外協力隊としてフィリピンでの活動や、国際協力分野で活躍されている中野貴行(へむり)氏と、「半農半X」という小さな農を行いながら、社会に対して天賦の才(個性や能力、特技)を生かす生き方を提唱している塩見直紀氏である。

■「ムズカシイ」→「オモシロイ」

中野氏は、「情報との向き合い方」というテーマで講演した。情報は、捉え方によって大きく中身が変わってしまう。表層的なイメージではなく、相手の言葉に耳を傾け、物事の裏側まで見せ合えるような「つながり」を作ることが大切であるという。

若者に対してのメッセージとして「世界はあなたの思った通りになる。イメージの中で生きるのか、自分の描いた世界を生きるのか。すべては自分次第。今自分が何をやりたいかっていうのは変わっても良いから、まずは自分に正直になることが大事」と、語った。

■「散逸」→「収斂」

塩見氏は「半農半X」というコンセプトに則って、「自分らしいライフスタイル」についての講演を行った。「自分キーワード」を3つ掛け算することで、自分の大切なものやコミュニティ、「天職」が見えてくるのだという。

未来への決意表明として、シフトシートに書いた言葉は、「散逸」から「収斂(しゅうれん)」。「自分の中にある散らばった要素(散逸)を取り出して、クリスタライズ(結晶化)すれば、成功する。ばらばらのものをひとつに纏めてみる(収斂)ことで、新しい何かが生まれてくるのではないか」と語る。

当日は、各登壇内容に沿った「未来について考えるワークショップ」も行われた。「僕らはどうやって情報と向き合えばいいのか」、「自分らしいライフスタイルの築き方とは何か」、「今ここから自分にできることとは何か」という3つのテーマのもと、グループに分かれての対話型ワークショップが行われた。多くの参加者からは「対話を通して未来への気付きを得られた」、「登壇者や参加者一人ひとりとの距離が近い」、「まだまだ話し足りない」といった声があがった。

次回のWorldShift’12 Vol.2は、11月10日に開催される予定だ。12月8日と12月21日にも予定している。同イベントは今まで考えたことのないような、世界のこと、自分自身のこと、大きくて手が届かないと思っていたことに、触れるきっかけになるのではないだろうか。次回の内容にも期待したい。(オルタナS関西支局特派員=中川なつみ)


【WorldShift’12 第2回】

【講演者】
兼松佳宏氏
greenz.jp編集長。NPO法人グリーンズ(申請中)理事。著書に『ソーシャルデザインー社会をつくるグッドアイデア集』(グリーンズ編)など

佐藤慧氏
studio AFTERMODE所属。復興支援団体「みんつな」を立ち上げ支援に関わりながら取材を続ける。2011年世界ピースアートコンクール入賞。

【日時】
2012年11月10日(土)
午前11:00~午後17:00(終了後、懇親会を予定)
【場所】
㈱ウエダビル本社南ビル地下1F
〒600-8191 京都府京都市下京区五条高倉角堺町21番地
(京都市営地下鉄五条駅より徒歩5分)
【チケット料金】
学生 前売り1500円/当日2000円
一般 前売り2500円/当日3000円
※前売り券は11/7(水)振込締切
参加申込み
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【問い合わせ】
worldshift12@gmail.com
【イベント情報】
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