緑の党は29日、都内で「キックオフ!イベント 希望の未来をつかもう!」を開催した。昨日の結成総会で選出された4人の共同代表が、集まった参加者に結党を宣言した。

共同代表の4人。左から、中山均氏、長谷川羽衣子氏、すぐろ奈緒氏、高坂勝氏

本日もゲストとして招かれたオーストラリア緑の党連邦議会上院議員のスコット・ラドラム氏は「日本が誇るテクノロジーの粋を集めて、自然エネルギーへの転換を進めて欲しい。世界中が期待している」とエールを送った。

急きょ登壇が決まった俳優の山本太郎氏は「既得権益を貪る1%の連中の奴隷になる訳にはいかない。一筋の光は選挙で彼らに勝つこと。『緑の党』はその光の中心にいる」と支持を表明。その上で、「『みどり』を名乗る団体が多過ぎる。些細な違いで、枝分かれして力を分散させるのは無駄だ」と各団体に連帯を呼びかけた。

来賓の中沢新一氏は「社民党や共産党の根幹をなす『赤い意識』が緑に変色し始めた。これは世界の潮流であり、必然だ。人類史上、稀有な分岐点にいる私たちが、ここを乗り切るには、旧来の左翼的な運動を上回る思想を提示することが必要だ」と訴えた。

アジアでは、韓国や台湾などでも緑の党は躍進しているが、議席の獲得には至っていない。これに対し、共同代表の高坂勝氏は、「『脱原発』だけで勝負するつもりはない。終わりなき経済成長を求める男性型社会に未来はない。あらゆる分野で、女性が中心的役割を担う割合を高めたい」とあくまで「脱原発」は争点の一つでしかないことを強調した。

参加者からは「市民運動と政治は違う。魑魅魍魎(ちみもうりょう)がのさばる政界を生き抜くしたたかさを持った人材も登用して欲しい」と強烈なリーダーシップを期待する声も聞かれた。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)