発明のきっかけはカンボジアへの旅で、きれいな水がないことで起こる負の影響を実感したことだ。そのようなことから、途上国の人でも使いやすいようなシンプルなデザインで役に立つものを作りたいとSolarballをつくった。ボールの中に水を入れて、直射日光に当てておくだけで、1日3リットルの飲み水が手に入ることになる画期的なプロダクトだ。
仕組みとしては、容器の中で汚い水分が蒸発されるようになっており、水滴になることで、きれいな部分と汚い部分を蒸留できる。その水滴をうまく集めることで1日3リットルのきれいな水をつくることが可能になるのだ。丸形にしたことで360度どこからでも効率よく太陽光を吸収することが可能。サイズも持ちやすく、電力も使わないのも良いポイントである。
ただ、デザインのために少し問題があるそうだ。例えば、3リットルでは1人分にも満たず、村や家族の規模を考えると到底足りないこと。また、直射日光にも耐えることのできるプラスチックが必要になってくることだ。ちなみに、Solarballは、2011年度の「James Dyson Award」のファイナリストになったプロダクトでもある。
途上国の問題を解決に向かわせるデザインはこれからも紹介し続けていきたい。(オルタナS編集部員=佐藤慶一)
[Solarball]