今年1月いっぱいで、千葉県松戸市に現存する唯一の映画館「シネマサンシャイン松戸」が閉館する。同館は松戸駅から徒歩約3分の映画館で、20年間にわたり、映画を上映してきた。閉館にあたって、最後の上映では思い入れのある若者有志で、お客さんに対して記念撮影などを行う。
この企画を立ち上げたのは、現在、千葉県八街(やちまた)市で農業をやっている三輪拓也さん(25)。三輪さんは実家が松戸で、同館には小学生~高校生のころまでよく通っており、中学3年のころは友達と上映されている映画全てを観たこともあるという。そのおかげで今では、映画館が一番癒される場所になった。
しかし、三輪さんが成人してから久しぶりに同館に行くと、中学生の頃のような活気がなくなっていた。この状況をなんとかしたい、と思いながらもついに閉館が決まってしまった。
そこで、最後の上映では「168ある席を満席にしたい」と、ポスターを作成して地元商店に配布したり、フェイスブックなどで呼びかけを行っている。
ポスターを貼ってくれた商店主からは「20年前は、松戸には他にもたくさん映画館があった。最後の映画館がなくなってさびしいが、1日だけの上映会をやるなどしてみんなで映画を見る機会を継続してもいいのでは」といった声もあるという。
「昔みたいに、関わりのあった人たちとにぎやかに映画を観て、最後の思い出を作りたい。これを機会に街に映画館が1つもなくなるということはどういうことか、ということも少しでも考えてもらえたら」(三輪さん)と意気込みを語る。
最後の上映作品は「レ・ミゼラブル(字幕版)」(1/31 20:00~)で、当日は19:00から来てくれたお客さんに対して記念撮影を行う。上映後は希望者同士で交流会も開催予定とのことだ。(オルタナS特派員=猪鹿倉陽子)
■シネマサンシャイン松戸 最後の上映
日時:1月31日(木) 20:00~22:45
※19:00~撮影スタッフが在中します。デジカメなどをご持参ください。
場所:シネマサンシャイン松戸
千葉県松戸市本町21-2
地図はこちら
上映作品:「レ・ミゼラブル(字幕版)」<シネマ3 168席>
料金:一般 1200円
小中学生 1200円
シニア(60歳以上) 1000円
松戸市民 1000円
※松戸市民の方は住所を確認できるものを、在勤・在学の方は証明書等をお持ちください。
【松戸】関連の他の記事を読む
・限界集落の農家と学生を支援する「熊野川翔学米」
・農とまちづくりのプロが話す自給自足の社会 gd松戸vol.10
・自分でつくる暮らしとは green drinks vol.6 レポート
・企業のCSRに興味がある方はこちらへ
・NPO/NGO活動に興味がある方はこちらへ
・若者の社会貢献活動に興味がある方はこちらへ
・ソーシャルグッドなアイデア・サービスに興味がある方はこちらへ
次の記事を読む⇒【世界に見る物の価値 トイレとケイタイどちらが大切?】
前の記事を読む⇒【LGBT成人式新成人の辞 「20歳になり、ちゃんと笑えるようになりました」】