ラバーキラーは、タイヤやシートベルトなどの廃材を使いバッグや小物を作っているブランドだ。シンプルで洗練されたデザインと、タイ・チェンマイでのエシカルな取り組みが日本で注目されている。(オルタナS特派員=奥田景子)
ラバーキラーの日本での販売総代理店であるアンバーウェイズの勝坂麻理代表へお話を伺った。工場はチェンマイから一時間程離れたところに、縫製工場は縫製スタッフが集まっている30分程のところにある。
日本進出には、日本のマーケットで仕事をしたいというデザイナーの強い要望があったという。アメリカで建築を学び、仕事もアメリカで続けてきたデザイナーのジョイ氏は、日本のマーケット商品はクオリティが高くその規格に合った商品を製作することで、他の国への進出が容易になると考えたそうだ。
タイは世界で1~3位のタイヤ生産国であり、日本の工場も多く進出している。日本での廃タイヤのリサイクル率は2010年度調査で91%となっている。しかし世界中の廃タイヤの一部は、タイや東南アジアに集まり使用可能と判断され、リサイクルされずに最終的に廃棄されている。
バッグや小物類は、使われなくなったタイヤを何度も洗い加工し縫製工場での縫製まで、全ての工程をハンドメイドで作られている。タイの日本企業で生産されたタイヤが日本を含む世界で使われ、少量ではあってもタイに戻りバッグになるという循環ができた。
もう一つのラバーキラーの取り組みは、タイの教育問題に関するものだ。タイでは山岳民族や地方労働者が文化的貧困によって学校に通えず、安い労働賃金しか支払われない。技能訓練の機会を提供し正当な対価を支払い、利益の一部を貧しい学生ための奨学金として支援している。
長く使って欲しいという願いを込めたバッグや小物に使われるタイヤには、同じものがないため、同じプロダクトでも同じものはない。ユニセックスでカジュアルに汚れを気にせず持つことができ、トートバッグはカラ―バリエーションも揃い、アウトドアにもお勧めだ。
RUBBER KILLER:http://www.rubberkiller.jp/