化粧品ブランドのミス・アプリコット(神奈川・三浦郡)は、化粧品における動物実験反対を訴える国際キャンペーンに支援を表明した。同社は、同キャンペーンに支援を表明した初の日本企業となった。同社の松原香苗社長は、「動物実験は、動物に苦痛を与えるし、信頼性に欠ける。日本の動物実験に終止符を打ちたい」と話す。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

ミス・アプリコットが支援を表明したのは、「Be Cruelty-Free 思いやりのある美しさキャンペーン」。国際NGOヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(以下HSI)が主宰し、オーストラリアや中国、アメリカなど10カ国以上で展開されている。オンラインで署名を集め、政府に訴えることが目的だ。

同社の創業は1989年。日本で初めて「動物実験をしていない」化粧品会社として設立された。安全性・美容効果が実証されてきた植物エキスやハーブなどを使って、製品を作っている。

このたびの支援表明を受け、HSIの日本担当者である山崎佐季子氏は、「ミス・アプリコットは、エシカルな価値観を持つ消費者の声をもとに設立された。さらなる消費者の意識啓発をめざしていきたい」と語った。

今後は、消費者教育に加えて、同社による卸業者や取り扱い店舗を対象とした勉強会も開催する予定だ。

資生堂やマンダムなどが動物実験の廃止(中国への輸出を除く)に向かっているが、多くのメーカーではいまだに実施している。日本では、化粧品に対する厳格な法的規則はまだないため、動物実験の可否は企業の判断に委ねられている。だからこそ、消費者の声を届けることで、動物実験廃止をめざす。