九州電力本社前を陣取って、原発再稼働に対する1時間ほどの抗議を毎月1回ペースで続けている女性グループがいる。「反核女子部」だ。(フリーライター・今一生)
「反核女子部」を名乗る彼女たちのホームページでの呼びかけ文はこうだ。
「今までは男性に任せておけば、と思っていた女性も子どもを守るため、未来を守るためには自分で考え、声をあげるようになりました。日本は放射能と原子力については、世界で平均知識の高い国になったのですから、この問題を入口にして、他のテーマにまで広げていくことが良いのではないでしょうか」
反核女子部は、「新日本婦人の会」(略称・新婦人)福岡県本部の中の有志の集まり。新婦人といえば、1962年にいわさきちひろ(絵本画家)、櫛田ふき(日本婦人団体連合会会長)、桑沢洋子(デザイナー)、壺井栄(作家)、野上弥生子(作家)、羽仁説子(日本子どもを守る会会長)、平塚らいてう(女性運動家)、深尾須磨子(詩人)らの呼びかけによって結成された女性団体だ。
反核女子部には、30代~70代から成る20人ほどの女性が在籍し、2013年11月に九電本社前抗議を初めて行って以来毎月1回続け、2015年1月までに15回行ってきた。反核女子部の広報を担当する西田真奈美さんによると、「今年1月15日(15回め)は28人集まりました」という。
10人ほどの参加メンバーの他に一般市民や議員も来る。一方、九電関係者は、「シャッターを閉め、誰一人出てきません」(西田さん)。
最近では飛び入り参加者が現れたり、沿道から「がんばってください」と声をかけられ、カンパをもらうようになった。「春先に先頭を切るかと言われている川内原発の再稼動をストップさせる上でも、この抗議を続けることが大事だと考えています」と話す。
反核女子部では、抗議活動のほかに、福岡に避難してきた被災者の声を聞いて行政へ支援の申し入れをしたり、玄海原発の廃炉要請や署名活動もしている。
九電の電気料金値上げ申請に伴う公聴会では経産省に国の原発推進政策とそれを前提にした料金制度について意見陳述をし、電気料金値上げ、原発再稼働に反対して九電や経産省へ要請などを行ってきた。
2月19日夕方6時に、恒例の九電本社前抗議を行う。「原発をなくすには交渉もデモも抗議も、様々な角度でのアプローチを続けていく必要があるでしょう。経営筋や株主総会、経産省、九州の経済界にも理解を求めていくことも進めていきたい」。
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