いま寄付するなら、義援金か支援金か――。日本財団はこのほど、義援金と支援金の違いについてまとめた。寄付者がこの2つの寄付金の違いを理解することは、災害が発生して間もない「緊急フェーズ」における復興のスピードを左右する。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

義援金と支援金の違い

義援金と支援金の違い

義援金は、被災者へ届けられるもので、支援金はNPOなど被災者を支援している団体へ送られるものだ。支援金は、被災地でインフラ整備や人命救助をするNPOなどの支援団体に送られるため、被災地での救命・復旧活動に役立てられる。義援金は被災者に配分されるため、復興事業や緊急支援には使われない。

支援団体へ送られた支援金の使い道は、支援団体が自由に決めることができる。一方、義援金は100%被災者に行き、公平に配分される。ただし、配分されるまでに時間が掛かる。義援金の仕組みはこうだ。まず、義援金の受付窓口となる機関が義援金を募る。日本では、日本赤十字社や報道機関が窓口を務めている。

そして、被災した県が設置した義援金配分委員会で、被災者の被害状況を把握し、配分額を決める。配分額が決まると、窓口機関から各県に届けられ、そこから、各市町村に配分され、被災者へ届く。東日本大震災では、義援金は3366億4865万789円(2016年2月29日)が集まっているが、被災者へ届けられるまで半年から1年を要した。

支援金は団体単位でも募集しているが、公益組織が窓口として、一括で受け付けてもいる。配分されるスピードは、義援金よりも速いため、一刻を争う緊急フェーズでは支援金が有効だ。

一般社団法人グリーン経営者フォーラムでは、「ダイレクト募金」を立ち上げた。同募金では、週に2回程度、被災地の企業や非営利団体に送金する。手数料は取らない。送金先の団体は、グリーン経営者フォーラムが選定している。

同募金には、4月25日までに115万8251円が集まった。寄付受託者の情報は、オルタナオンラインに記載されている。グリーン経営者フォーラムは、2015年に設立した、グリーンな価値観を大事にする経営者のネットワーク。今夏には、「CSR経営者フォーラム」と改称し、CSR/CSVの概念を全国の経営者と共有していく。会長は、日本初の有機農産物宅配システムを持つ「らでぃっしゅぼーや」を立ち上げた徳江倫明さんが務める。

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