自然素材の化粧品販売を行う長寿乃里(神奈川県横浜市)は、強風を逃がす特殊構造の傘を販売している。傘の内側から外側へ折れる構造になっているため、強風に逆らうことなく、壊れにくい。傘のポイ捨てを防ぎ、都市景観を改善する。(オルタナS編集長=池田 真隆)
■「ポキッと折れるんです」構造
同社が開発した傘は、税込1080円。強風が吹くと、反転ヒンジが自ら倒れ反転する構造になっている。同社では、この仕組みの特許を取得しており、「ポキッと折れるんです」構造と名付けた。
傘を壊れにくくしたことで、環境負荷を軽減し、都市景観の改善につなげた。廃棄されたビニール傘は接着剤で固定されているため、分解がしづらい。金属でできている箇所は焼却ができず、埋め立て処理を行いため、処理費用もかさむ。
日本郵便 南関東支社の協力のもと、神奈川県及び山梨県内の郵便局で、2016年12月から販売を開始した。現在は、同社の直営店のほか、ドン・キホーテなどでも取り扱っている。
ビニール傘は壊れやすく、雨の日に店舗の売り上げに貢献する商品。効率を考えると、ビニール傘を大量生産して、販売することが定石だが、同社の本山東英・経営推進室は、「傘の専業会社ではないからこそ、この販売戦略ができた」と話す。壊れにくい傘を販売することで、ごみを減らし、環境を守っていく。
*長寿乃里は、オルタナと法政大学イノベーション・マネジメント研究センターが実施した「グリーン・オーシャン大賞」で「中小企業部門の銀賞」に選ばれました。グリーン・オーシャン大賞の詳細は雑誌「オルタナ」48号に掲載しています。
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