アイデムは23日、小学生から高校生を対象にした写真コンテストの表彰式を開催した。写真のテーマは、「働く姿」。身近な人が汗水流して働く様子を、レンズを通して子どもたちに教えることが狙い。農作業をする祖母を撮り、小学生の部でグランプリに輝いた兵庫県丹波市立東小学校6年の平出菜々美さんは、「台風で稲が倒れてしまって大変そうだったが、私たちのために働くおばあちゃんはとてもかっこ良かった」と話した。(オルタナS副編集長=池田真隆)
同コンテストは今年で9年目を迎える。2005年から、アイデムの社会文化貢献活動の一つとして開催してきた。今年は、過去最高となる6182点の応募があった。応募した子どもたちは、6月から9月中旬までの期間で、身近に働く大人たちの姿を撮影する。
家庭で見ていた親の表情とは異なり、職場で真剣に働く姿に感動を覚える子どもが多くいる。同社の比留間洋取締役は、「写真を撮るためには、被写体に向き合うという過程が生まれる。この過程が、働く素晴らしさを実感してもらうための絶好の機会となる」と話す。
子どもたちの大半は、親や祖父母の働く姿を撮影した。田んぼで精を出すおじいちゃんや45年間ラーメン屋を営む夫婦、重度の障がいを持つ子どもに水泳を教える特別支援学校の先生など。カメラ目線で笑顔の写真もあれば、真剣な表情で働く凛々しい姿をとらえたものもある。
小学生の部でグランプリを受賞した平出さんは、農作業をする祖父母を被写体に選んだ。「暑い日も寒い日も笑顔で農作業をするおばあちゃんが大好きです。今年は台風で稲が倒れてしまって大変そうでした。それでも、私たちのために働くおばあちゃんはとてもかっこ良かったです」と話した。
選考委員長で公益社団法人日本写真家協会の田沼武能会長は、「今の時代のカメラは性能が良くて、何でもきれいに写る。しかし、ただシャッターを押すだけでは、感動までは写らない。撮る側が感動していないと、写真に感動は写らない。受賞作品を撮った子どもたちは全員、働く姿に感動していた」と評した。
受賞作品の展示は、東京と名古屋で行われる。東京は11月21日から12月4日まで、新宿のアイデム本社ビル内のフォトギャラリーで、名古屋は2014年1月21日から1月26日まで、中区栄の名古屋市民ギャラリー栄で展示される。入場料は無料。