ここ10年、特に2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災以降、若いお父さんたちの意識は、「仕事」から「家庭」へとシフトしてきていると言います。しかし、現在でも多くの企業が、高度経済成長からバブル期の「仕事第一」の古い体質のまま、社員の事情や多様性を受け入れられずにいます。6月19日は「父の日」。父の日を前に「お父さんの働き方」について考えてみませんか。(JAMMIN=山本 めぐみ)
■変化するライフ・ワーク・バランス
NPO法人ファザーリング・ジャパン(東京)は、「笑っている父親」を増やすべく、企業や自治体での講演やセミナーのほか、政策提言などを通じ、お父さんたちを取り巻く社会の意識や職場環境の改革に取り組んできました。
「働くお父さんたちの意識が大きく変化してきた背景には、女性の社会進出もある。社会は変化し続けているのに、育児休業が取りづらかったり、定時に帰りづらかったりと受け入れる職場の体制は依然として古いまま。これでは、夫婦で子育てしながら働くこともできないし、お父さんは仕事と家庭の間で板挟みにあってしまう。ここを変えるのが使命」。そう話すのは、ファザーリング・ジャパン理事の徳倉康之(とくくら・やすゆき)さん(37)。
徳倉さん自身も、まだ「イクメン」や「イクダン」という言葉がない時代に育児休暇を取得し、周囲から白い目で見られた経験があるといいます。
■多様な働き方をマネジメントする「イクボス」
ファザーリング・ジャパンが、様々な活動の中で特に力を入れているのが、「イクボスプロジェクト」。企業と提携しながら「社員の抱える生活を理解し、マネジメントできる上司」を育成するプロジェクトです。
「『イクボス』は、社会の変化とともに多様化する働き方の新しいマネジメント方法。社員の働き方に理解を示している会社の就業継続率や平均株価の高さなど定量的なデータを提示しながら、論理的に説明することで、仕事第一で働いてきた40代〜50代の中間管理職の人たちの理解を得られる」と徳倉さんは話します。
実際に人手不足で悩んでいた組織が「働き方の多様性」を認めるマネジメントを行い続けた結果、従業員の満足度が上がり、さらに顧客満足度も上がって収益が上がったというケースは、稀ではないと言います。
■「笑っている父親」が社会を変える
「企業の古い体制が変わり、お父さんたちが仕事をしながらも積極的に育児や家事に参加するようになれば、やがては少子化や犯罪、待機児童の問題や地域とのつながり等、様々な社会問題の解決につながる。『笑っている父親』が増えていけば、家族をはじめとして、周囲の人たちも笑顔になる。まだまだ封建的な古い企業の体制を変えていくのが、自分たちの役割」。そう徳倉さんは話します。
■「ファザーリング全国フォーラム」開催費を集めるチャリティーキャンペーン
仕事も頑張りながら、生活や人生を充実させる、笑顔でかっこいいお父さんを増やすために、ファザーリング・ジャパンでは、地方での活動にも力を入れています。
6月16日・17日には、大分県大分市で「ファザーリング全国フォーラムinおおいた」が開催されます。今回、ファザーリング・ジャパンは、チャリティーファッション専門ブランド・JAMMIN(京都)と1週間限定でキャンペーンを実施し、フォーラム開催のための費用の一部を集めます。
JAMMINがデザインしたTシャツには、「The Beatles」のアルバム「アビー・ロード」のジャケットをパロディしたメンバーの代わりに、乳母車を押したり、家事をしたりするお父さんの姿が。「子育てをしながら、父親になっていく」というメッセージを、デザインで表現しています。
Tシャツ1枚につき700円がファザーリング・ジャパンへチャリティーされます。販売期間は6月12日〜6月18日の1週間、JAMMINホームページから購入できます。
JAMMINホームページにて、詳しいインタビューを掲載中。ぜひチェックしてくださいね。
・「笑っている父親が、社会を変える」。社会を変えるために、お父さんの「働き方」を改革する〜NPO法人ファザーリング・ジャパン
【JAMMIN】
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