「まるでジブリの世界のような木々に覆われた神秘的な場所」。KAMAGAWA POCKETはこのほど、栃木県宇都宮市を流れる釜川のルーツを探るために源流を探索するワークショップ「釜川の源流で絶滅危惧種を探せ!」を開催しました。都市河川における調査を専門とする寺田浩之氏(ココペリプラス代表)を隊長として、釜川の源流である「東弁天沼」と「西弁天沼」で、COD(化学的酸素要求量)の測定による水質の調査や、生き物の採集・観察を行う源流ツアーを行いました。報告します。(KAMAGAWA POCKET広報担当=鹿野 桃佳)

ワークショップの参加者と集合写真。当日は雨にもかかわらず、20名以上の調査隊員が集まった

この取り組みは、釜川のこれからの在り方を考えることを目的とした取組の一環で、これまでにシンポジウムを開き、釜川の魅力や課題について議論してきました。東弁天沼では、まず、水源の手前の池に手分けをしてワナを設置しました。そして、ワナに生き物がかかるのを待っている間に、水源がある森の奥へと足を進めました。

そこは、まるでジブリの世界のような木々に覆われた神秘的な場所になっており、始めに、みんなで水源のそばにある社に挨拶しました。その後、水質調査と生き物採集をした結果、水質調査では、雨水による影響で正確な結果を得られませんでしたが、生き物採集では、子どもも大人も時間を忘れるほど夢中になり、アメリカザリガニや、ヌカエビ、サワガニを発見しました。さらに、池に設置したワナによって、これまでの予備調査では見つからなかったタモロコやドジョウなどを新たに発見しました。

西弁天沼は、深い竹林と森に囲まれた場所に水源があります。竹林は日本でも有数の竹の生産地である若山農場です。当日は雨の影響で地面がぬかるんでいたため、足下に気をつけながら水源へと足を進めました。

水源についてからは、東弁天沼と同じように、水質調査と生き物採集を行いました。水源では足が泥にハマりやすかったので、みんなで助け合いながら採集を行いました。

ここでは、少し網をすくうだけでサワガニやアメリカザリガニが捕まり、源流の生き物の豊富さを認識させられました。

ワークショップで訪れた釜川

出発地点であるKAMAGAWA POCKETに戻り、寺田隊長による生き物の解説を聞きながら観察しました。自分たちで採ってきた生き物に興味津々な子どもと大人たち!

はじめはザリガニに触れなかった子もいつのまにか掴めるようになっていました。最後はみんなで集合写真を撮って調査を終えました。大人の方からは「とても美しい川の水源が身近にあって驚いた」「こんなに沢山の生き物が採れるとは思わなかった」、子どもたちからは「また生き物を採りに行きたい!」といった声が上がり、調査を楽しんでもらうことができました。

今回はあいにくの雨でしたが、沢山の生き物を採集することができ、特に、綺麗な水にしか生息できないサワガニが多くみられ、源流の豊かさを知ることができました。

ドジョウやタモロコといった新たな種類の生き物を発見することもできました。引き続き、釜川のこれからの在り方を考えるために、シンポジウムやワークショップを企画していきます。

次回は釜川の過去を知るために、釜川沿いの昔の写真や道具等を囲みながら、地域の自然・社会環境の総合理解につながるワークショップを行います。ご都合よろしければ、是非ご参加ください。

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