東日本大震災から半年を迎えた9月11日。渋谷の「エネルギーシフトパレード」や経済産業省を取り囲む「人間の鎖」など、日本中で多くの脱原発アクションが行われた。
(経済産業省を取り囲んだ、人間の鎖)
その中で特に目をひいたのが、19歳~22歳の若者による「将来を想うハンガーストライキ」だ。
(写真提供:『将来を想うハンガーストライキ』サポート 竹之下惟基さん)
9月11日から21日までの10日間、実に240時間に渡る断食が、経済産業省前で始まっている。
メンバーの一人である米原幹大さんは
「誰と対立するでもなく、自ら(若者)が今、何を想っているのかを伝えたい。」そうハンストにかける想いを語る。
山本雅昭さんは原発事故について、「原発の事故を政治家や電力会社のせいにしたくはない。無関心だった僕らがまねいたことだ。」とした上で
「原発に対してどういう意見があってもいいが、皆にたくさん考えてもらいたい。一人一人が考えられるようになるようにメッセージを与えたくてハンストを行おうと思った」と話してくれた。
ハンストを行う若者たちの主張は簡単だ。
-「対立」ではなく「対話」を
同日、新宿で行われた「原発やめろデモ」に1万人が参加したように、今や普通の市民が「脱原発」を叫ぶようになった。
その国民の声に対して、政府や電力会社は誠意を持って説明しようとしているだろうか。
時とともに、脱原発の波が収まるのを待っている。そのように見えてならない。
-「対立」ではなく「対話」へ、そしてみんなの問題へ。
若者の命がけの訴えに、政府や電力会社、そして我々はどう答えるべきか。
一人一人真剣に考えたい。
■将来を想うハンガーストライキの声明文全文
福島第一原子力発電所の事故で多くの方が故郷を追われ、また、暮らしそのものを奪われました。この原発事故が収束するまで、放射能が大気中と大地と海に垂れ流しにされます。
一度事故が起きてしまったら取り返しがつかなく、誰も責任が取れないことが明確になりました。
それだけではなく、原発は事故が起きなくても大量の温廃水などで自然環境を破壊し、何万年も管理しなくてはいけない大量の核のゴミを生みだします。
私たち若い世代には、すでに日本の54基の原発が生んでしまった、半永久に消えることない核のゴミと福島原発から漏れ続けている放射能を残されてしまいました。
しかし震災後も、新規立地計画されている上関原発建設予定地では、休みなく原発建設のための環境調査工事を進めています。
泊原発も国民になんの説明もなく営業運転を始めてしまいました。
私たち若い世代は、原発の負の遺産をこれ以上背負いたくありません。
そして最も放射能の影響を受ける子供たち、その子たちに繋がっていく命に、これ以上の負の遺産を残したくありません。
私たちは命の糧となる自然や、命そのものを大切にすることを政策に反映してもらうように請願し、ハンガーストライキを10日間行います。
これは、これからこの地球で生きていく私たちの願いです。
請願内容
内閣総理大臣 野田佳彦 様
経済産業大臣・原子力経済被害担当大臣 枝野幸男 様
文部科学大臣 中川正春 様
外務大臣 玄葉光一郎 様
環境大臣・原子力発電所事故収束及び再発防止担当大臣
内閣府特別担当大臣(原子力損害賠償支援機構) 細野豪志 様
•上関原発をはじめとする新規建設計画を白紙撤回してください。
•放射線量が高い、福島県内や周辺の県に住む方々の健康管理や避難後の生活面での保障、また事故による損害の補償を行なってください。
•各原発の再稼働を検討する前に、原発事故の危険性と事故の責任の取り方を全国民に説明してください。
•福島第一原発のような悲劇を、他国で繰り返さないため、原発輸出はやめてください。
•原発、もんじゅ、再処理工場など全ての原子力施設の廃炉と省エネ・自然エネルギーの社会に向けた方針へ転換してください。
以上
【請願者】
山口県上関町民 岡本直也(20)
千葉県民 米原幹太(21)
愛知県民 関口詩織(19)
大阪府民 竹之下惟基(22)
大阪府民 松村元(20)
兵庫県民 釣琴美(27)
和歌山県民 田中希(17)
大阪府民 岡野朱里(19)
兵庫県民 児島げんき(18)
和歌山県民 深尾明加(18)
東京都民 高橋雄也(20)
東京都民 佐倉直人(20)
兵庫県民 後藤樹声(16)
兵庫県民 児島いのり(20)
兵庫県民 谷幸穂(18)
山口県上関町民 東条雅之(27)
埼玉県民 須賀紗彩(20)
東京都民 河野夢以(18)
東京都民 藤原皓平(28)
埼玉県民 内田麻美(27)
大阪府民 久保陽平(18)
兵庫県民 児島こころ(22)
東京都民 山本雅昭(22)
■『将来を想うハンガーストライキ』HP: http://hungerstrike.jimdo.com/