東日本大震災の被災地の受験生に大学受験の参考書を送ろうというプロジェクトを、早稲田・明治・青山学院・学習院大学など首都圏の大学生グループが始めている。

「参考書宅救便」の発起人・赤塩勇太さん(一番左)と仲間たち


「参考書宅救便」というホームページを通じて全国に参考書の寄付を呼びかけ、これまでに1万冊以上が寄付されたという。受験生がそのサイトにある在庫リストをチェックして自分がほしい参考書を選ぶと、大学生たちが要望通りの参考書を発送してくれる。

既に2500冊以上を受験生の個人宅や地元の塾、NPOなどへ直接郵送したが、郵送コストは回収した参考書の中で受験生が使用できないものを古本屋に売却した利益や、活動に共感してくれた企業や市民からの寄付金で回収している。

プロジェクトの発起人で青山学院大で学ぶ赤塩勇太さん(22)は、企業から倉庫を借りたり、さいとうクリニックや武田塾などから活動資金の協力を取り付けた。

「震災で進学の夢をあきらめてほしくないと思い、たった一人から始めました。参考書を届けた東北の受験生に会いに行くと、『一度は受験をあきらめて就職しようと思っていましたが、もう一度受験にチャレンジしようと思いました。ありがとうございます』と言われ、本当にやってよかったと思いました」

大学や予備校もこの活動を支援すれば、多くの参考書が集められると同時に、多くの受験生も集められる好機になるはずだ。(今 一生)

「参考書宅救便」