記者会見当日も記者からの質問に、全て答えていた。執筆していくことで、心境の変化も表れたという。「自分のことを理解してくれる人は、自閉症者だけだと思っていたが、多くの人から反響をもらい、誰にでも理解してもらえるのだとわかった」と、話す。
上手く話せないことで人に誤解を与え続けていたという。「ありがとう」や「ごめんなさい」と言いたくても、言えない自分に無償に腹が立つこともあった。
差別や偏見をなくすためには、どうすれば良いと思うかという質問には、「差別や偏見は集団生活を送る限り、誰でも持っているもの。無理に差別や偏見をなくすことを目指すのではなく、みんなが今よりも少しだけ人に優しくなることを目指した方が現実的」と答えた。
東田さんの著書『風になる——自閉症の僕が生きていく風景』は12月5日に発売。1月10日までは、ビッグイシュー路上販売者による路上での独占販売が行われ、10日以降は、会社からの通信販売も行われる。(オルタナS副編集長=池田真隆)
・東田直樹オフィシャルブログ「自閉症とは、FCとは、筆談とは」