私たちの健康を維持するうえで欠かせない食事。仕事、学業、子育てに追われて、メタボ・不健康な現代人は多くいる。そんな忙しい人へ無添加で長期保存が効く惣菜の定期仕送りサービス・健康的な社食サービスを提供する、「おかん」の沢木恵太社長に事業内容を伺った。(聞き手・Wandererライター=金田 みほ)

「おかん」を立ち上げた沢木社長

「おかん」を立ち上げた沢木社長

――沢木さん、今日はお忙しい中ありがとうございます。さっそくなんですが「おかん」という社名が魅力的だなと感じました。この社名にした理由を教えてください。

沢木:はい。私たちの会社は「作った人の温かさが伝わる食品を提供する」ということを大切にしています。「作った人の温かさ」を例えるなら何か。そう考えたときに「母親の愛情」ではないだろうか。その思いをこめて、母親を親しみやすく呼んだ「おかん」を社名にしました。

――ありがとうございます。次におかんの事業内容を教えてください。

沢木:おかんの事業は大きく分けて2つあります。

1つめは、仕送りサービスおかん。家族に健康的な食事を作ってあげたいけど、忙しくて食事を作ることができない主婦の方、離れて暮らしている家族の食事が気になるという方がいらっしゃるかと思います。そのような方々に利用していただきたい、食事の定期購入サービスです。「離れている大切なひとへの仕送りとしても利用していただきたい」という思いが従来の配送サービスとは異なるところではないかと思います。

2つめは、オフィスおかん。こちらはオフィスに冷蔵庫を設置し、オフィスで働く人の「ぷち社食」を提供するサービス。美味しくて健康的なのに24時間いつでも利用できる食事が冷蔵庫から食べたいときに取り出し、電子レンジで加熱するだけで食べることができるサービスです。必要なのは小型冷蔵庫を設置するスペースだけ。1品100円から購入できるということが魅力ですね。

――おかんの食品の特徴は何でしょうか?

沢木:おかんの食品には3つの特徴があります。

1つめは、保存料などを使用しない無添加であるということ。2つめは、独自の鮮圧雑菌調理※によって、保存料なしで一か月保存がきくこと。3つめは、従来のレトルト調理や冷凍保存と違い、独自の調理法で味や風味の劣化を最小限に抑え、出来たての味であるということです。(※蒸煮・殺菌をひとつの圧力容器の中で連続して行うことで、食品の成分劣化・風味劣化を最小限に抑え、食品本来のおいしさ・風味・新鮮さを保てる調理法)

――保存食品って添加物を沢山使っているイメージだったので無添加ということに驚きました。無添加にこだわった理由を教えてください。

沢木:忙しい人(社会で働く人)が食事に求めることは、「安く食べること、早く食べること、健康的に食べること」ではないかと思います。今までは最後の「健康的に食べること」が達成できなかった方、多いのではないかと思います。

安く、早く食べることができ、なおかつ健康的な食事を満たすことを実現したい。無添加な食事は健康に直結するのではないか。その思いから、忙しい人へ無添加の食事を届けることにこだわりました。

オフィスおかんが提供する健康的な食

オフィスおかんが提供する健康的な食

■目の前の食に新たな選択肢を

――現代社会、忙しい人ってなかなかちゃんとした食事を摂ることって難しいですよね。沢木さん自身の経験からそれを感じることってありましたか。

沢木:はい。私自身、以前の職場で月何百時間も働くという生活をしていました。そのような忙しい日々の中、主な食事が職場内に設置されていた「オフィスグリコ」(好きな時にお金を代金箱に入れ買うことができるサービス)でした。

オフィスグリコには助けられましたが、常に「主食がお菓子で自分の身体に悪いことをしているのではないか。」という不安が付きまといました。お菓子以外の選択肢があれば。だけど忙しくてお菓子に頼らざるをえなかった。そういった意味で、難しさがわかります。

――その思いが、おかんのミッションの中にある「関わる人の選択肢を作る」に生きているのでしょうか。

沢木:目の前のお菓子を食べることが間違いではないときだってあります。ですが、お菓子以外に「健康的な食事」を選択肢として用意することで、価値観や身体への配慮が変わる人がいる。その人達の選択肢を作っていきたいという思いがミッションには込められています。社員、お客様、おかんに携わるすべての人々の選択肢を作っていきたいです。

お皿とお箸には色味と合わせて「あたたかい食を提供したい」という思いが込められている

お皿とお箸には色味と合わせて「あたたかい食を提供したい」という思いが込められている

――ありがとうございます。最後におかん、そして沢木さん自身どんなとところを目指し、挑戦していきたいですか。

沢木:「新しい食の仕組みを作ること」ですかね。私たちがやっていることは、食品を作ることでも、配達することでもない。では何をやっているのか。現代社会、外で食べる「外食」、家で調理したものを食べる「内食」を置いて、買った調理済み食品を家や職場で食べる「中食」が主流となってきています。

そのような社会のニーズに合わせて、変化が追い付いていないのが食品業界の現状。私たちは、そのような社会の変化を受け入れながらも大切な「健康」を守っていく仕組みを作っていきたいと考えています。

沢木恵太:
株式会社おかん代表取締役CEO
1985年長野県芽野市生まれ。中央大学商学部卒業後、コンサルティングファームにて教育系事業の立ち上げ、webベンチャ―企業で事業責任者を経て、教育系事業会社にスタートアップメンバーとして参画。その後、無添加お惣菜の定期仕送りサービス「おかん」および、オフィス向けぷち社食サービス「オフィスおかん」を運営する株式会社CHISAN(現おかん)を創業。

◆この記事は「wanderer」から一部編集し、転載いたしました

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