オルタナはこのほど、別冊「72組織 わがパーパス」を発行しました。省庁・自治体・株式会社・非営利組織(大学や病院を含む)など72組織のトップに、パーパス(存在意義)を執筆していただきました。その一部をご紹介します。
プレーパーク=居場所を 石巻から全国へ
みなさん、プレーパークを知っていますか? 日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、ヨーロッパの大学ではそこで働くプレイワーカー養成の学部があるほど認知度が高く、日本でも少しずつ着目されている子ども向けの施設です。
私は長年、保育士として児童養護施設や寄宿生のフリースクールなど、子どもの社会的擁護の現場で働いてきました。東日本大震災の発災後、ボランティアとして宮城県石巻市に入ったところ、子どもの遊び場が姿を消したことを知り、2011年7月からここで地域の人と共にプレーパークを開催しています。
プレーパークの特長は、子どもが“やってみたい遊び”を実現できることです。大工道具を使え、カマドで火をおこし、穴は好きなところに掘りたいだけ掘れるなど、日頃経験できない遊びができます。
今は姿を消しつつある泥んこ遊びもここでは日常です。週末は必ずやってきて、自分だけの秘密基地を2か月以上つくり続けている子もいます。
ここには昨年、延べ5200人が来所しました。その中には家庭に課題を抱える子どもも延べ360人いました。たわいもない会話で笑い合い、一緒にご飯を食べるといった当たり前の経験が乏しい子どもにとって、いつも同じプレイワーカーが常駐していることが安心して訪れたくなる要因となっています。
震災から9年を迎えた今、新しい道路や施設が完成し、平常を取り戻しつつあります。
…続きは「alterna別冊 72組織 わがパーパス」をご覧ください。