2012年3月5日に動画配信サイトYouTubeで公開された約30分間の動画「KONY2012」が3月23日現在、8400万回以上の再生数を記録している。
動画内容は、ウガンダ共和国の反政府ゲリラ「Lord’s Resistance Army」(神の抵抗軍・LRA)のリーダー、ジョセフ・コニー容疑者(50)が犯してきた少年少女に対する非人道的行為を露にして、2012年内の逮捕を目指すことを呼びかけている。
LRAは戦闘員の85%が11歳から15歳の誘拐した少年少女で構成されている。戦闘員の数は未知数だが、これまでに誘拐した数は少なくとも3万人以上だと言われている。誘拐された少年は自分の両親の殺害や、抵抗する者の耳、鼻、唇などを切りつけることを強要されて、少女は指揮官たちの報酬として性的奴隷にさせられる。
コニー容疑者には2006年に国際刑事裁判所から「人道に対する罪」で逮捕状が出ているがいまだに逮捕されていない。この度、国際的に有名な文化者20人と12人の政治家に協力を求めて、彼らのSNSによる発進力で世界中にコニー容疑者逮捕を呼びかけるキャンペーン動画が一瞬にして広まった。
動画はジェイソン・ラッセルという映像作家が立ち上げたNPO「Invisible Children」(米国)が作成した。協力している文化者には、Facebookの開発者マーク・ザッカーバーグ氏や女優のアンジェリーナ・ジョリー氏などが名を連ねる。
「Invisible Children」は4月20日(金)に世界各国の都市にコニー容疑者のポスターを張るキャンペーンを行う予定である。しかし、同団体はコニー容疑者逮捕に寄付金を募る活動をしているが、寄付金の使われ方には懐疑的な意見もあるとされる。
ウガンダのジャーナリストからは「動画内容はウガンダの政治状況に関する背景を単純化した寄付金集めのキャンペーンに過ぎない」との批判もある。しかし、コニー容疑者逮捕の目的には異議はないとされている。(オルタナS副編集長=池田真隆)
Invisible Children