この文章は、石巻に住む中学2年生の女の子の母親が書いた文章です。その家庭ではこの度の津波により、姉と祖母を亡くされました。大切な人を失い、手つかずの状態でいるはずの妹が、それでも前を向く姿勢を綴っています。

直筆で書かれた手紙


私は今TEDIC(テディック)にお邪魔しています。そばで勉強のイメージに反しとても楽しそうな雰囲気で学習指導をして頂いています。震災より三ヶ月が過ぎた頃「宜しければ勉強を見て差し上げます」のご進言に無我夢中のままお願いした次第でした。

当初より門馬先生始め被災状況の度合い等に一切触れずただひたすら何かできればと謙虚なご姿勢を一貫し熱心にご指導下さいました。大好きな姉、祖母、友を震災で亡くし手付かずだった娘が、学年末には苦手な数学で5の評価を目にした時には大変驚きました。

最終的に人の心を突き動かすのは心だと実感しました。そのお心に感謝ばかりです。互いの思いやりこそが原動力。しかし、優しさも草花の水やり同様、与え過ぎはその心の根を弱くします。

私たちも、頼らず、甘えず、悲しまず、皆様のご支援にお答えするべく視線を上げ前に向けて行きます。今後も付かず離れずそっとお守り頂けましたなら幸いです。ありがとうございます。(寄稿・石巻在住 熊谷弘子)