内閣府からSDGs未来都市に選定された札幌市では教育を軸にSDGsの浸透が進んでいる。8月12~13日に札幌ドームで開かれた、「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにした環境イベントでは、親子連れを中心に約3万人が来場した。約252社・団体がブースを出展したなかには、札幌市内の小学校教員向けのSDGs研修、同市の高校生が考案したSDGsカードゲームなどもあった。(オルタナS編集長=池田 真隆)

札幌ドームで開かれた「環境広場 さっぽろ2019」には約3万人が来場した

同イベントの名称は、「環境広場 さっぽろ2019」。札幌市が1998年から開いており、2008年の環境首都宣言から10年を機にコンテンツを拡充し、会場を札幌ドームに移した。今年は開催テーマを「環境とSDGs」とし、出展ブースにはそれぞれSDGsの達成に貢献している目標を掲げてもらった。

運営や集客を行ったのは子ども向けの教育情報誌「エコチル」を発行するアドバコム(札幌市)。臼井純信社長は、「SDGsの達成年である2030年は、いまの子どもたちが中心となっている社会なので、子どものうちからできる範囲でSDGsを知ってほしい」と話した。

■先生もSDGsに関心

「2020年に改訂される学習指導要領にSDGsが組み込まれる。SDGsは総合学習の授業に入る。質の高い授業を行うためにSDGsを理解することは重要になる」――こう話すのは、札幌市立伏見小学校教員の斉藤健一さん。国連で採択されたSDGsは、2030年までに解決すべき17の国際目標を設定しており、そのうちの一つである目標4は「教育」だ。

先生向けのSDGs研修、テーマは体育の授業を通してSDGsをどう伝えるのか

斉藤さんは、「この機会にSDGsを知ってほしい」と考え、教員向けのSDGs研修を企画した。北海道内の小学校に呼びかけたところ、約50人の教員が参加した。20~30代の教員が中心で、先進校での取り組みを共有した。

小学生たちが机に座り、カードゲームで遊んでいるブースもあった。ファシリテーターを務めているのは高校生だ。小学生に、「SDGsを学びながら、まちづくりを考えよう」と呼びかけていた。

子どもたちはカードゲームを通して環境に配慮したまちづくりを学んだ

このカードゲームは、市立札幌開成中等教育学校4年生(高校1年相当)の生徒4人からなる団体「じー`s(じーず)」が考案したものだ。自分たちがSDGsを知ったことで、小学生にも分かるようなカードゲームをつくって広めたいと考えた。

ゲームのルールは、チームで協力しながら、社会や環境に配慮したまちづくりを目指す内容だ。この日、ファシリテーターをしたのは同校1年生の坪井若菜さん、田邊日菜花さん、富谷湖雪姫さん、熊田芽依さんの4人。「今年3月からカードゲームを企画して、8月上旬にできたばかり。子ども向けと大人向けがあり、これから多くの人に遊んでもらいたい」と話した。

札幌市環境局環境都市推進部環境計画課の佐竹輝洋推進係長は、このカードゲームに対して、「市としてもバックアップしていきたい」と後方支援を検討している。



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