「もっと有名になって、気仙沼へライブを観に来てほしい」

SCK(産地直送気仙沼の略)GIRLS


4月1日、東京の葛西臨海公園で行われた被災地復興イベント。野外ライブ出場前にアイドルグループ「SCK(産地直送気仙沼の略)GIRLS」のリーダー・さと美さん(17)が語った。SCK GIRLSは宮城県気仙沼市で2011年10月に誕生。メンバーは地元の小学校から高校生の少女10人(2012年4月現在)だ。

「支援してくれた人への『ありがとう』の気持ちや、気仙沼の人は頑張っていると伝えたい」(さと美さん)

プロデュースしているのは、地元民による復興支援ボランティア団体「シムシティ気仙沼」だ。元は支援物資を配給するグループだったが、「音楽で元気を出してほしい」と現在は市内を中心に音楽イベントなどを行っている。阿部健一代表(50)は言う。「太鼓をやっていた中学1年生の女の子。震災のトラウマで親から離れられず夜も泣いていた。だけどイベントで演奏し歓迎されたことで笑顔を取り戻した。子どもに笑顔が戻れば大人も元気になる」

そんな思いでアイドルグループを企画した。オーディションは無く気仙沼に残る中高生の女の子なら皆メンバーになれる。初の東京ライブ。数百人の観客が見守る中、副リーダーの高橋里瀬さん(17)は「東京でライブができるとは夢にも思わなかった」と思わず涙ぐんだ。

「震災後は家にこもりっぱなしで、あれもできない、これもできないと考えていた。今は皆で集まって、大好きなダンスの振り付けを考えたりするのが楽しみ」(高橋さん)

現在の気仙沼は復興特需と言われているが、潤っているのは地元の一部業者ばかり。多くの住民は恩恵を受けていない。

「地元の小さな商店を支援することが大事。ゆくゆくはSCK GIRLSが水産加工物などのご当地商品をPRするなど広報もできたら」(阿部さん)

ステージは「復興・新生」を意味する新曲「ReGeneration」で締められた。

「まだ君は 空の上で 見てるかな 見てるなら また いつか 会えるなら その時は 笑顔で」 

被災地では小さな希望の芽が萌え出ている。(遠藤一


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