お酒に特化したクラウドファンディング「ココだけの酒プロジェクト」が5月31日リリースした。中小零細の酒造メーカーを対象とし、プロジェクトを掲載していく。
同クラウドファンディングは「GREEN GIRL」を運営するワンモア(東京・目黒)と、ニフティと小学館のトレンド情報誌「DIME」が共同で企画している、お酒好きな人を集めたコミュニティ「酒コミュ」がタイアップして、オープンした。
「酒コミュ」とタイアップしているので酒好きなファンや発信層を持ち合わせている強みを持つ。
現在は、1716年に創業された茨城の老舗酒造「来福酒造」のプロジェクトが掲載されている。茨城は東日本大震災での被災地で、来福酒造も1.8L瓶2000本が損害した。
プロジェクトで販売されている酒には、「来福 純米吟醸生原酒 X -エックス-」がある。酒コミュでライターとして活動する「まめたろう」が使用米から酵母までを厳選してプロデュースした1本である。
日本酒業界の苦境は深刻である。2010年度の日本酒メーカー523社の売上高は前年度比3.8%減の3161億7000万円となり、372社が減収だった。売上高100億円以上の6社が業界シェアのほぼ4割を占める寡占状態で、売上高5億円未満の小規模メーカーは442社に達する。売上高上位20位の大手メーカーでも増収は1社だけであった。
当企画の運営責任者であるワンモア代表取締役の沼田健彦さん(31)は既存のメディアとクラウドファンディングの融合の可能性に着目している。「趣味趣向が共通している人が集まるメディアにクラウドファンディング機能がつくことで、メディア側にとっても新しいコンテンツの一つになる。既存の問題をクラウドファンディングで読者とともに解決できる」と期待する。(オルタナS副編集長=池田真隆)
・ココだけの酒プロジェクト