神奈川県葉山の一色海岸から徒歩一分。7、8月の土日祝だけ営業するおしゃれなカフェがある。LGBTの当事者が中心のNPO団体「good aging yells」(good)が運営する「カラフルカフェ」だ。

多くのお客さんで賑わうカラフルカフェ


当事者ばかりでなく、海水浴場客や、地元の人も多く来店する。2011年の夏にも営業し、今年は二回目。去年は20日間でのべ千人以上の来客数があった。

元カヌーショップを作りなおした店内は2階テラス席を含めて32席。店内にはNPO活動の冊子などLGBTフレンドリーなグッズが置いてあるが、押し付けがましい感じはなく、LGBT関連の店だとわからずに店を出る人もいる。good代表の松中権さん(36)は言う。

「LGBTの啓蒙活動というと、権利を主張したり、内輪での運動が中心と思われがち。もちろんそれも大事だけど、制度に頼る以外に、まず自分たちでできることがあるのでは。普通の人間同士として堅苦しくなく繋がれる場を作ろうと思って、カフェを思いついた」

goodの理念は「LGBTの前向きな人生を考える」。当事者向けの就職活動座談会や、将来設計を考えるワークショップなども行っている。

「LGBTは一人身が多く、子どもを持つ人が少ないので『今が楽しければ、それでいいや』と思う人も多い。さみしい老後への不安も抱える。お金や将来のことを考えるきっかけや、孤立しないネットワークも作りたい」(松中さん)

地元民の店舗オーナーは、昨年の開店直前まで「(LGBTフレンドリーなカフェなんて)周囲からどう思われるかわからない」と不安を抱えていたという。しかしオープニングパーティで実際に彼らと触れあい「一人ひとり、みんなとても素敵な人ばかり。たまたまゲイやレズビアンなだけなんだよね」と応援してくれることになった。

性的少数派はいまなお好奇の視線にさらされているが、自ら胸襟を開き、多数派を受け入れようとする動きが出てきている。

7月1日から8月26日までの土日祝に営業。11:30~日没まで。9月1日にクロージングパーティを予定。(遠藤一


神奈川県三浦郡葉山町一色1985-1 080-3352-4211
・カラフルカフェ:http://cafe.goodagingyells.net
・good aging yells:http://goodagingyells.net