社会貢献活動と恋愛の関連を調べる企画の第一弾。今回は、児童買春問題を解決するNPOかものはしプロジェクトが主催したカンボジアへのスタディツアーで出会ったカップルに話を聞いた。(聞き手・オルタナS副編集長=池田真隆)*エシカップルとは、エシカルな活動をしているカップルの略語です。
吉澤裕紀:
東京大学経済学部3年(休学中)カンボジアへのスタディツアーを機に課外活動を始める。NPO法人かものはしプロジェクトでのインターンなどを経験し、現在は地元国立市で農業をかじる。Twitter: @17yossy
鳥居真樹 :
武蔵大学社会学部社会学4年(休学中) NPO法人かものはしプロジェクトのインターン、震災ボランティアを経て「農ある暮らし」に興味を持ち、半年間 滋賀県の農村で暮らす。現在、greenz.jpにてライターインターン。 Twitter:@making0909
——お互いの出会いは2010年3月に実施したカンボジアへのスタディツアーだったそうですね。第一印象はどうでしたか。
吉澤:実は、スタディツアー中にはそこまで話しませんでした。でも、第一印象は前向きで、明るくて元気だなという印象でした。彼女はスタディツアーのリーダーをしていたので、初めてボランティア活動に参加した僕とは意識が違い、とてもかっこよく見えました。
鳥居:私は同じ人が二人いるという印象でした(笑)。彼は、一緒に参加した友達と顔が似ていたのです。グループリーダーとして、参加者の名前を覚えなくてはいけないのに、「なんで同じ顔をした人が二人もいるのよ!」と思っていました(笑)。
——吉澤さんは、鳥居さんに好印象だったのですが、鳥居さんは違うのですね。
鳥居:私はリーダーとしての役割を果たすことに精一杯でしたね(笑)。
——リーダーとしての役割は大変ですからね。それでは、お互いが惹かれたのはいつで、どんな所でしょうか。
吉澤:児童買春に苦しむ子どもたちのために一生懸命に動く彼女の姿勢には引かれました。このスタディツアーに参加した動機もしっかりしていなかったので、動機がしっかりとしている彼女のことを本当に尊敬しています。
鳥居:普通の友達とはできない話が何気なくできるところがいいですね。
——どんな話をするのですか。
鳥居:特にこれといってないのですが、、、今の社会が将来はこんな社会になっていけたらいいねというような話をしています。
——将来の理想像が同じだからこそ、相性が合うのではないでしょうか。それでは、普段の生活と、エシカルな活動をしている時ではお互いの印象は違いますか。
吉澤:普段はお互いだらしないかな(笑)。それに意地を張ったり、自己中心的な発言をしたりもします。活動では誰かの為に動いているのに、自分のこととなると、とても弱いですね。
——そうなのですか。それでも、エシカルな活動が二人の距離を縮めたのでしょうか。
吉澤:そうですね。カンボジアに行かなければ、出会えなかったので、スタディツアーがあったから付き合えたのだと思っています。
鳥居:(照)
——それでは、二人が考えるエシカルの定義を教えてください。
吉澤:自分と周りの人を幸せにすることだと思います。
鳥居:地球に優しくて、私にも優しい行動ではないでしょうか。
——なるほど。オススメのエシカルデートはありますか。
鳥居:自然に囲まれた中で散歩することですかね。この夏は、島に行ってみたいと思っています。
吉澤:都会だと周りに広告がありすぎて、目についた情報の話をしてしまいがちです。でも、田舎に行くと静かで、落ち着いて話すことができます。オススメですね。
——最後に全国のエシカノ、エシカレへ一言お願いします。
吉澤:まずは、自分の身近な人から幸せにしていけるようになってほしいです。いきなり、遠くのことを考えるのではなく、周りに目をやって活動していく人が増えれば、良い社会になっていくのではないだろうかと思っています。
鳥居:遠くの「誰か」のためじゃなく、自分の近くの「あのひと」のための活動をしていってほしいです。どうにかしたいという問題意識が「自分ごと」になれば、もっと自然体で、活動自体をより楽しめると思っています。
*かものはしプロジェクトは今年で10周年を迎えました。
NPOかものはしプロジェクト
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