九州はアジアに近いのが強みだ。大海原に抱かれる船旅ならば、高速船が【福岡〜釜山】を往復、客船オーシャンローズ号【長崎〜上海】も7月に生まれ変わりグランドオープンした。効率的且つ経済的な空の旅ならば、地方空港有明佐賀空港からもLCC春秋航空【佐賀〜上海】間を片道3000円から就航している。
このアジアとの距離が近いことを強みに、九州では「オルレolle」と呼ばれる韓国済州島発のトレッキングコースが誕生している。オルレとは、済州島の方言で「家に帰る細い道」を意味するそうだ。
健康ブームもあり、週末や気候の良い時期、トレッキングウェアとマップを片手に「オルレ」で、手軽にエシカルに時間を楽しむ人が増えているのだ。現在、九州でも、九州観光推進機構の呼び掛けで4ヶ所のオルレコース【佐賀県武雄コース・熊本県天草コース・大分県奥豊後コース・鹿児島県指宿コース】が誕生している。
この日、佐賀県武雄コース(Aコース約15キロ)を訪れた韓国メディア一行に同行させてもらった。韓国人観光客に、日本の文化や自然、人とのふれあいがどう伝わっていくのか興味深い。
コースには、九州オルレの目印「青と赤」のリボン、馬の形をした「カンセ」が設置されており、マップを手に気軽に足をすすめることができる。オルレルートには、武雄の大楠や温泉などの武雄定番の観光スポット、起伏のある山道、頂上から眺める町並み、そして日本家屋や集合住宅の裏道なども通ることで、極一般的な日本人の生活を垣間見ることができる。地元のひととのふれあいも楽しみの一つだ。座禅や写経ができるお寺では韓国語で「お茶をどうぞ」と書いてあり、地元のホスピタリティを感じた。
オルレで気持ちの良い汗をかき、地元住民でも歩いたことのない路地裏の存在に、お地蔵さんの緩やかな笑顔に、新たな発見と感動があった。
今では、LCC(格安航空会社)の就航も相次ぎ、外国への移動も簡単になった。また、FacebookなどのSNSが進化を続け、どこでも情報を得られるようになった。以前よりも、旅がしやすく、選択肢が増えたとも言える。新たな旅の楽しみ方で、エシカルに旅を、九州を楽しんでみてはどうだろうか。(オルタナS特派員=中村よもぎ直子)
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