仕事を通じてホームレスの自立を促す雑誌「ビッグイシュー日本版」が札幌で販売開始されてから5年が経過した。5周年を記念して9月1日にシンポジウムやパフォーマンスが盛り込まれたイベントが札幌のエルプラザで開催される。

札幌販売当時のビッグイシューを手にする矢橋さん


「札幌で路上生活者はいない。そう思っている市民は多い。販売5周年経った今もビッグイシューのことを知る人はごくわずか。今回の記念イベントをきっかけにあらためて市民に広く認知させたい。」販売開始当初から、中心スタッフとしてかかわる矢橋潤一郎さん(44)は語った。

「ビッグイシュー日本版」を販売すると、定価300円のうち160円が販売員の手元に残る仕組み。1991年にロンドンで生まれ日本での販売開始は2003年。鋭い視点の記事も多く、札幌にも根強いファンも存在しているが、広く一般に認知されているとは言いがたい。

正確には把握できていないそうだが札幌に路上生活者といわれる人は、100名ほど存在しているという。そのなかで現在の販売員は、わずか3人。昨年まで6人いた販売員が、病気や失踪の理由で半分になってしまった。

本当にホームレスの自立に繋がっているのか?疑問視する声も多く寄せられているという。他地域では、実際にビッグイシューの販売員を通じて社会復帰した実績もある。社会福祉に関する一般の認知度だけではなく、5年続けてきて見えてきた運営体制側の問題もあるだろう。

矢橋さんは北海航測株式会社という会社を経営しており、経営者の視点からも、マーケティングを見直し、新しい試みを行っていきたいと考えている。
イベントでは、路上生活者による肉体表現パフォーマンス「ソケリッサ」を予定している。(オルタナ北海道支局長=横山光紀)


詳細は以下

テーマ 「ともに生きるまちづくり」
日 時 2012年9月1日(土) 13:30~17:10 (予定)
会 場 エルプラザ 3Fホール(札幌市北区北8条西3丁目)
入場無料 申込不要
プログラム(予定)
・基調講演 講師:佐野 章二氏(ビッグイシュー日本 代表)
・ビッグイシューさっぽろ活動紹介、販売者インタビュー
・ソケリッサ公演
・シンポジウム
参加者(団体)
訪問型フリースクール漂流教室 相馬 契太氏
NPO法人 えべつ協働ねっとわーく 白鳥 健志氏
東日本大震災市民支援ネットワーク・札幌 むすびば 宍戸 隆子さん
ビッグイシュー日本 佐野 章二氏
コーディネーター:中島 岳志氏(北海道大学公共政策大学院 准教授)


「ともに生きるまちづくり」facebookイベントページ
http://www.facebook.com/events/171727656285251/
「ビッグイシューさっぽろ」ホームページ
http://bisapporo.web.fc2.com/
「ビッグイシュー日本版」ホームページ
http://www.bigissue.jp/index.html