ファッションブランド「チチカカ」が8月24日、関東初の旗艦店となる「チチカカETHIC表参道」をオープンした。同店舗のコンセプトを、「生活者と生産者の幸せの架け橋となり、エシカル消費による社会貢献」とし、社会や環境に配慮した取り組みを行うエシカルファッションブランドへのスペース無償提供などの取り組みを行う。

チチカカETHIC表参道店舗内


チチカカは、1977年に創業。「世界の文化を伝えること」を基本理念とし、日本のトレンドへ南米やアジアなどの伝統芸を用いた刺繍や技法を生かした商品づくりを行ってきた。毎年2シーズン行われる「ハッピートレードコレクション」では、売上の5%を生産者に還元している。

還元金は、生産者の要望を元に技術継承や後継者育成への資金提供などに使用される。今季のコレクションは、ペルーのチバイ村に焦点を当てている。

チバイ村の伝統技法である刺繍技術は、下書き無しでミシンを走らせる高度な技術を持つ。色鮮やかに細かい模様を入れることができ、チチカカオリジナルの、カーディガンやロングスカートに仕上げている。

チバイ族の伝統技術で日本のトレンドに合わせたアイテムをつくる


同店舗では、エシカルファッションやNPO活動の発信にも力を入れる。NPO活動や生産風景などを、映像を通して紹介し、まだ店舗を構えていないエシカルブランド(食品も含む)へのスペース無償提供も行う。

10月からの約2ヶ月間、ロンドン発のエシカルファッションブランド「INHEELS(インヒールズ)」に、スペースを無償提供することが決まっている。インキュベーターとして、エシカルブランドの普及を目指す。

チチカカの取引先は、世界16カ国、国内では33都道府県に出店し、91店舗を構える。既存点の売上も昨対比55カ月連続で達成しており、2011年3月期は約25億円の売上で、2013年3月期の国内売上予測は、58億円を見込む。

同店舗オープンを記念して、8月23日に開催された報道陣向けの式典では、チチカカ代表取締役木南仁志氏は、「チチカカの商品を購入されるお客様が増えれば、増えるほど、生産国における雇用機会の創造や伝統技術を継承するための後継者の育成に繋がる。ひいては文化を守ることで、社会貢献に繋がっていく。表参道に集まる感度の高い若者やエシカルに理解が深い層にアプローチしていきたい」と挨拶した。

同店舗は2フロア構成になっており、1階でウィメンズ向けアパレルやアクセサリー商品、2階でキッチンアイテムやアパレル販売を行う。限定アイテムとして、メキシコの山間部に住むウイチョール族の手作り雑貨とアクセサリーが販売されている。

7月に実施されたデルフィス エシカル・プロジェクトによる「エシカル実態調査」では、「エシカル」という言葉の認知度は昨年から2%上がったが、13%という結果だった。

そして、7割以上が「企業はエシカルな活動の情報を発信するべき」と思っていることから、企業の情報発信に課題が残っていた。表参道という流行の発信地にインキュベーター機能を持つ同店舗が誕生したことで、エシカルに触れる若者が増えると予測される。

社会貢献意識が高く、消費意識の低い現代の若者たちに、エシカルはどう響くのか、注目である。(オルタナS副編集長=池田真隆)