原発事故で避難生活を送る福島の方は、東京だけでも約7500人という。住み慣れた故郷、友人や家族と離れ、先が見えない中、不安な毎日だ。
東日本大震災支援団体ラブギャザリング( 東京・港)は宮城県の石巻・十三浜の漁師支援や漁業復興支援に取り組み、今年1~3月には多くの方に復興ワカメ「生わかめしゃぶしゃぶ」を販売してきた。
だが、3.11追悼イベントで福島出身のある母親から「私たちは被災地といっても福島しか知らない。日本でどんなことが起こったのか、他の被災地を知りたい」という声を聞いた。
そこで、同団体の理事の山田由美子さんが、福島のお母さんたちと一緒に福島以外の被災地を訪れ、被災者どうしの交流を図るツアーを企画した。行く先は、石巻、女川。どちらも大きな被害があった地域だ。
石巻の漁港は船も家も養殖場も失ったが、漁を再開して直販に挑戦するなど、新しい形での漁業復興に取り組んでいる。
「石巻の漁を支える“漁師の右腕”のお母さんたちも、家や船、漁具などを失いましたが、漁業復興に向けて頑張っています。福島の方たちに津波で流された被災の現在の様子を見てもらうとともに、復興に向けて立ち上がった漁師の奥さんたちとの語らいや交流を通して元気になってもらいたい」
そんな思いで山田さんがクラウドファンディング「Readyfor?」に企画を公開し、参加費への寄付を募ると、ツアー遂行に必要な目標額の36万円を大きく上回る432,000円を調達できた。
晴れて9月1日、東京へ疎開してきた福島出身の母親たちが新宿を出発。石巻、女川周辺を視察後、手仕事で自立と復興を目指す女性の団体や漁師の奥さんたちと交流し、翌2日は大川小学校や漁港を視察して漁師の奥さんたちと昼食をとりながら復興について話を伺った。
なお、ラブギャザリングでは、9月29日・30日にも1泊2日の石巻十三浜漁業ボランティアツアーを企画しており、参加者を公式サイト上から募集している。(今一生)
●ラブギャラリング
http://www.love-g.info/