生活において、光は重要だ。
暖色の優しい光などは、灯すだけで人の心に安らぎを与えてくれる。
そんな光を生み出す、伝統工芸品が、京都の三条にある。
京行燈「辻むら」は京友禅着物と、京建具・京竹細工・清水焼・銅板金などの京都伝統工芸品を融合した、行燈を作っているお店である。伝統工芸ならではの味わい深いつくり、そしてその温かい光がとても魅力的だ。京友禅が暖色の光にあたって、落ち着いた色合いを醸し出してくれる。
店主に聞いたところ、こだわりのポイントとしては、
①京友禅を、行燈に使っているのは辻むらだけ。
②日本美術とのコラボ作品もある
③清水焼との融合作品でもある。
という点にあるという。確かに、普通の伝統工芸品はそれ単体で売りだしているのに対し、この辻むらの京行燈は贅沢にも、京友禅と清水焼といった、その伝統工芸品をミックスした商品となっている。
しかし、これほどに贅沢に作ってしまうと、部屋から浮いてしまうのではないだろうか、とも思う。純和式の室内であればともかく、普通の部屋であればそれだけが際立って目立ってしまい、部屋の印象と合わない可能性があるだろう。
その点を、店主に聞いてみたところ、
店主:普通の部屋には合わないと考えてらっしゃる方が多いのですがあまり気張らずに、ちょこんとおいていただけると嬉しいです。確かに最初は違和感があるかもしれませんが、だんだんと馴染んできますよ。あたたかい光で、生活そのものを照らすような照明器具を提供できたら、と考えています。
京行燈が馴染むような部屋を作る、のではなく、京行燈を置くことで部屋がそれに合わせる様に変化していくのだろう。もし今の自室が気に入らないのであれば、ぜひこの行燈を置いてみてほしい。きっと、より暖かい、穏やかな部屋に変わることだろう。(オルタナS関西支局特派員=小川陽平)
・京行燈 辻むら
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