11月3日、リドリー・スコット監督率いるスコット・フリーとフジテレビの共同制作の映画、『JAPAN IN A DAY』が公開される。みんなの日常を繋げたものが、一本の映画となった。

2010年、「あなたの日常の一コマを撮影して送ってください」というリドリー&トニー・スコット兄弟の呼びかけに、世界中から動画が投稿された。それを繋げ、一本の映画にしたものが『LIFE IN A DAY』である。ソーシャル・ネットワーク・ムービーの誕生であった。

そして今回、フジテレビからの呼びかけに答え、リドリー・スコット監督とフジテレビの共同プロジェクトが始動した。

今年2月28日、「2012年3月11日のあなたの日常を撮影し、送ってください」との募集を開始。その結果、世界12カ国8000本もの動画が投稿されたのだ。それを繋げて完成したものが、来月公開となる映画『JAPAN IN A DAY』である。

「JAPAN IN A DAY」の1シーン ((C)2012 FUJI TELEVISION NETWORK. JAPAN IN A DAY FILMS LTD.)


今年3月11日、あなたは何をしていただろうか。東日本大震災からちょうど一年が経ったその日、誰といて、どんな景色を見て、何を思っただろうか。そして今日は、どんな一日だっただろうか。

「何でもない一日」は「どうでもいい一日」ではない。その「何でもない一日」も、私たちにとって「特別な一日」のはずだ。それこそが、この映画のメッセージである。

映画は、2012年3月11日の24時間を描いている。父子家庭の親子が公園へ出かける姿。地震の直前に生まれた子の1歳の誕生日を祝う家族の姿。また、あの日家族を失った男性が語る未来への言葉。

14時46分には、日本中が「黙とう」とともに、祈りを捧げる。

昨年の地震で、「当たり前のこと」が当たり前でなくなり、私たちは今までの日常の大切さに気づかされ、「明日がくる」ということも、決して当たり前ではないことを思い知らされた。それは地震や災害だけでなく、事故や病気でも同じである。

「今日」が訪れたように、明日もきっと当たり前にやって来る。私たちは何でもない日常の中で、実はそうやって思っているのではないだろうか。しかし、来ると信じていた「今日」を迎えられなかった人が確かにいることを、私たちは忘れてはいけないのだ。

家族と交わす他愛もない会話、友達と笑い合う瞬間、辛くて泣く日であっても、すべての瞬間が愛おしい時間なのだと、この映画を通して感じることができる。

*予告編*



観る人によって、感じ方も気づきも大きく変わってくる映画である。流れているのは、知らない人の日常。

その中であなたは何を感じるだろう。その映しだされた日常の中で何か特別な気づきを得る人もいれば、もしかしたら「ただの日常を流している映画」と思う人もいるかもしれない。また、この映画を通して、昨年のあの日を思い出し、あのとき自分が感じたことを再び見つめ直す人もいるだろう。

この映画で流れている日常を撮影した一人ひとりが、この映画の監督である。そこにはその人たちが伝えたい映像、想い、言葉がある。映像だけで何かを感じるのではなく、是非その人たちが伝えたいメッセージも汲み取って観て欲しい。

『JAPAN IN A DAY』は11月3日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて全国順次公開される。詳しくは、ホームページで。(オルタナS編集部員=大森清香)