日本で20人に1人いるといわれるLGBT。同性愛者や性同一性がい害者などの性的マイノリティーを指す。そんな彼らの視点からは、社会はどう見えているのだろうか。3組のLGBTカップルに集まってもらい、自分のセクシュアリティをカミングアウトしたとき、どんなデートをしているかなど、ざっくばらんに、話してもらった。(聞き手・オルタナS副編集長=池田真隆、オルタナS編集部員=薬師実芳)



出会いから付き合うまで

~はやと×あやめカップルの場合~

・ はやと(22):FTMパンセクシュアル(身体の性別は女性。心の性別は男性。恋愛対象の性別は問わない)
・ あやめ(22):異性愛の女性(身体の性別は女性。心の性別は女性。恋愛対象は男性)

はやと:出会いは中学の頃だね。あやめが中学2年になる頃に転校してきた。僕が所属していた演劇部に入部してきて、そこで初めて会ったんだ。

あやめ:第一印象は、「無愛想な人だなぁ」という印象でした。話しかけても、返事は少なくて、別に話さなくてもいいやみたいな感じでしたね(笑)

告白について

はやと:付き合いだしたのは、高校に入学してから。中学の卒業式終わりに、あやめが僕の家に来た。でもずっと無言のままで、「何で黙っているの?」と聞いた。うちに来る前から「ずっと伝えたいことがあるのだけど、抱きしめてくれたら言う」と言われていたので、抱きしめたら、「何で一緒にいてくれるの?」って言われた。

その瞬間、緊張とか不安で押しつぶされそうになって、思い切って、「好きだからだよ」って伝えたら、自然に涙が止まらなく出てきた。好きなのは前から自覚していたけれど、それを伝えることへの恐怖はやっぱり大きかった。

でも、それから1カ月間は悩んだ。その時には、まだ自分のセクシュアリティを認知していなかったので、女同士で付き合えるのか?と悩んでいた。もんもんとした日々だったね。

将来はどうなるのだろうかと悩んだあげくに、まだ中学生だし、今好きならそれでイイじゃん!と開き直って付き合うことに決めた。

あやめ:私も悩みました。私は、はやとを男のヒトとして好きになったのですが、はやとの身体は女だから、私は女性を好きになっているのかもしれないと。でも、私も、はやとも、お互いが好きだったから、それでいいのかなと思って付き合うことにしました。


~ささ×りょうカップルの場合~

・ささ(21):Xジェンダー/パンセクシュアル(身体の性別は女性。心の性別は無し。恋愛対象の性別は問わない)
・りょう(非公開):MTFパンセクシュアル(身体の性別は男性。心の性別は女性。恋愛対象の性別は問わない)

りょう:大学のセクシュアルマイノリティのサークルで出会いました。初めは女の子として好きなのかなぁとも思っていました。でもそのサークルの合宿などを通して深く知って、より好きになって、ある日地元に遊びにきたときに告白しました。

ささ:告白された時はうれしかったです。とにかくりょうは顔がタイプでした(笑)。もちろん、付き合って中身も良かったとわかりました(笑)。


~たくや×たけしカップルの場合~

・たけし(30):ゲイ(身体の性別は男性。心の性別は男性。恋愛対象は男性)
・たくや(20):ゲイ(身体の性別は男性。心の性別は男性。恋愛対象は男性)

たくや:大学1年の5月に会いましたね。定期的にゲイの飲み会を企画している方が主催した飲み会です。それに行ったら、彼が会場の近くで案内人として立っていました。

たけし:顔を見て、「あ、かわいい」と思っていました。



告白について

たけし:大晦日に、たくやも含めたゲイ仲間数人で年越しそばを食べていました。そして、その場のノリで初日の出を見に行こうということになり、羽田空港の展望デッキまで行きました。

そこで仲を深めて、2人で遊ぶ事が多くなりました。それで、僕の誕生日に、たくやの家に呼ばれました。

たくや:告白されるのかなと待っていたのに、全然話そうとしてくれなかったけどね(笑)。

たけし:ものすごく緊張した。それまで、ちゃんと告白したことがなかったので。なかなか言い出せず、告白したときは、明け方になってしまいました。

普段のデートについて

~はやと×あやめカップルの場合~

はやと:基本的に車でドライブとかかな。ディズニーシーとか、横浜、ポケモンセンターとかも行ったことある。初ラブホに潜入したことも(笑)。

その中でも思い出に残っているデートは、ディズニーシーでのデートだな。夢の国だから、堂々と手をつなぐことができた。やっぱり普段は他の人の視線が気になってつなげない。周りに白い目で見られることもあるから、相手(あやめ)に申し訳ないような気がして。


~ささ×りょうカップルの場合~

りょう:よく買い物に行きます。服に関して、レディースやメンズという括りにこだわりが無いので109とかも率先して誘いますね。でも、普段からメイクをしているわけでもなく、髪型や服装の好みも比較的ボーイッシュっぽいのでレディースのお店は一人だと気まずいから、この子(ささ)が選んでいるふりをしてもらって、洋服を見ています。

ささ:夜は部屋でDVDなども観たりします。DVDを観ていると(りょうが)突然立ち上がって、部屋を出て行ったと思ったら、おつまみを作ってもってきてくれたりもして、私はそんな瞬間にドキっとします(笑)。


~たけし×たくやカップルの場合~

たくや:お互いの家が離れているので、新宿でご飯食べるとかが多いですね。彼(たけし)の休みが取れたら、旅行やディズニーに行ったりもします。

たくや:彼(たけし)は、ぼくがした仕草に対して、かわいいと思った瞬間、必ず顔に出ます。「にやっ」とするんです。それを見ると、ちょっとうれしかったりもしますね(笑)。

たけし:感情が顔に出やすいんです。いつも、すぐにばれてしまいます。僕が思う、彼(たくや)の良い所は、きめ細やかな性格です。

例えば、貸したお金を返してもらうときにも、裸のお札をばさっと返すのではなく、封筒に入れるなどをして渡してくれたことがありましたます。細かいところで気を使えるところがいいなと思いますを気に入っています。


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