電力損失を大幅に削減するパワー半導体の標準化推進組織パワーデバイス・イネーブリング協会(通称PDEA、東京都・千代田)が発足した。関連技術を持つ企業が集まり、専門家や公的機関の客観的な評価のもと、パワー半導体の性能や安全性、品質評価方法などの規格化を進め、低炭素社会の実現をめざす。

10月10日に開催された協会発足記念セミナー


パワー半導体は通常のシリコン製半導体ではなく、炭化ケイ素や窒化ガリウムなどを用いて電力抵抗を劇的に低減する半導体だ。家電や電気自動車、新幹線、直交変電所などで、直流・交流の変換、電圧の昇降に利用すると、大幅な省エネ効果が得られると期待されている。

スマートハウスやスマートシティなどでも中核技術として注目されている。しかし、まだ歴史が浅く、技術標準や品質管理方法の確立と、安全性を客観的に評価する仕組み作りなどが急務となっている。

協会では、規格化を推進する委員会や、半導体テスト技術者の検定委員会を設置して安心・安全に使用するためのインフラを整備。幅広い分野での普及を促進し、省エネにつなげる。(オルタナS関西支局特派員=神崎英徳)