重りの付いた羽を落とさないように蹴り続けるベトナムの国民的スポーツ「ダーカウ(Da Cau)」を日本で広めようと奔走する23歳の若者がいる。東南アジア旅行中にその魅力にハマり、普及活動をする上田修久さんにその魅力と可能性を聞いた。

日本ダーカウ協会の総師、上田修久さん


「サッカーのリフティングをバトミントンの羽でやる様な遊びです。とにかく羽を落とさない様にラリーを続ける事が難しいし楽しくて、初めてやった日からハマりました」

ダーカウの意味はベトナム語で羽(カウ)を蹴る(ダー)

ダーカウは、紀元前5世紀の中国で始まった。足の甲などを使って、羽を蹴り続ける。バトミントンの様なネットを張り、シングルスもしくはダブルスでラリーを続けるスポーツだが、ベトナムの公園では日本の蹴鞠(けまり)のように、大人数で輪になりダーカウを楽しむ光景もよく目にする。

上田さんは大学を卒業後、就職せずウェブコンテンツの制作で生計を立て、日本ダーカウ協会を立ち上げ、総師として活動している。現在はベトナム全土を視察し、情報収集と事業収益化に向けたアイデア構築を行っている。

ベトナムで世代を超えて愛され続けるダーカウの魅力と、可能性を上田さんはこう語る。

「とにかく羽(カウ)があれば、どこでもできる遊びです。年齢性別関係なく参加できるし、羽を落とさない事が目標なのでみんな協力的にゲームを進めて行く。コミュニケーションを深めるツールとしても機能している遊びです。日本でも、親子や友達と気軽に遊べる手段として広めたら面白いと思って活動しています」

公式試合用、音が出る物など羽(カウ)の種類も豊富


日越外交関係樹立35周年を記念して2008年から始まった、ベトナムフェスティバルでも昨年から活動報告を行っている。同イベントは毎年9月に代々木公園で開催される日越文化交流であり、今年は2日間で18万人の来場者があった。

ダーカウは中国、カンボジアなどの東南アジアを中心に競技人口を有し、世界大会も開催されている。

安価で場所を選ばず気軽に始められるダーカウは、友達・恋人・社員の心の距離を縮めるツールとして定着するだろうか。(オルタナSベトナム支局特派員=中川真弓)


日本ダーカウ協会(YouTube)
■総師:上田修久