デルフィスの細田さんによると、「どのようなエシカルな行動を取っていますか」という質問に対して、50代・60代は「節約的」な意図で行動するが、若者は「自分が楽しいから」という理由が多いという。
FMヨコハマの前田さんは、主婦層の変化も感じている。正午から夕方にかけての時間帯のリスナーは、若い家庭を持った主婦層が多い。東日本大震災以降、「もし自分だったら・・」と、有事を自分に置き換えやすくなり、ラジオで流したことで、アクションにつながることが複数あったという。
筆者も取材活動を通して、被災地支援に行った大学生からは、「ありがとうと言われたことがとてもうれしかった」という感想を聞く事が多い。自分がしたことで、誰かのためになっているという感覚になることで、喜びを感じるのだ。「自分の存在価値に気づく事ができた」という感想を言った学生もいた。
今回の会議では、伝え方をテーマに話し合った。筆者なりにまとめると、若者に社会貢献情報を伝えるには、「自分が変わるかもしれない」という期待感を持たせる伝え方が最も大切ではないかと感じた。その期待感を持たせる何かを見つけてから、「ハードルを下げた」伝え方を取り入れたらよいのではないか。
その変化は、成長でも、出会いでも、気づきでも何でも良い。とにかく、刺激が欲しいまたは、変わりたいと思っている若者たちのスイッチを押す方法で伝えれば、世間的には硬いイメージでとらえられている社会貢献情報も、エンタメ系やスポーツ系とは違う意味で、求められる情報になっていくのではないか。
近年、ソーシャル系のネットメディアは数多く出てきている。オルタナSも、若者たちのエシカルなスイッチを押す存在としてこれからも情報を発信していきたい。(オルタナS副編集長=池田真隆)