在来作物の大切さや、それにまつわる人々の考えに触れたドキュメンタリー作品『よみがえりのレシピ』(監督・渡辺智史)が12月15日より渋谷アップリンクで公開する。上映終了後トークショーも実施され、16日のゲストには、D&DEPARTMENT PROJECT代表のナガオカケンメイ氏、21日はコミュニティデザイナーの山崎亮氏、22日は雑誌『ソトコト』編集長の指出一正氏らを迎える。
同作品は、品種改良された作物より収量が少なく、病気にも弱いことで市場から姿を消してしまう傾向にある在来作物にフォーカスを当てている。
登場するのは、在来作物を使用した独自の調理法で料理する、山形イタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフや、手間を惜しまず種を守り続ける農家の人々など。
焼き畑農法を研究する江頭宏昌氏は、「ここにしかない価値を秘める在来作物が地域再生の起爆剤になると確信している」と話す。
さらに、人類学者で明治大学「野生の科学研究所」所長の中沢新一氏は、「在来作物は地域に暮らす人間や動物と同じように、ひとつの土地に所属する主権者(コモンズ)の一員だ。それを守り育てることは、ときに文化遺産を守る以上の価値を持つ」と、同映画にエールを送る。
在来作物を守る彼らの笑顔と心意気を感じることで、何気ない日々の生活が少しだけ違ってみえるのではないか。そんな魅力を秘めている作品だ。(オルタナS副編集長=池田真隆)
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