電気を使わずに食品を冷やすことのできる冷蔵庫が開発されている。その名も「非電化冷蔵庫」。晴れた日に起こる放射冷却(地球の熱が絶対零度の宇宙に放出される)を利用して冷蔵庫内の熱を逃がし、入ってくる熱を遮断することで冷やす仕組みだ。

冷蔵庫の貯蔵室は熱伝導率の高い金属でできている。貯蔵室の周りには水がたっぷり充填されており、貯蔵室の熱は水に伝わって上へ、放熱板で冷やされた熱は下へと対流する。上面には放熱板があり、そこから熱は外へ行く。また、水のまわりには断熱版があり外からの熱を遮断している。晴天の夜が3日に1日以上あれば、真夏の昼でも庫内を7~8℃くらいには維持できるという。

この冷蔵庫を開発したのは発明家の藤村靖之さん。この他にも「非電化コーヒー焙煎器」や「非電化除湿機」などたくさんの非電化製品を発明している。電気を使わずに生活できる日は近いかもしれない。(オルタナS編集長 猪鹿倉陽子)