2011年2月に刊行された『ヒッチハイク女子、人情列島を行く!』(徳間書店)を紹介する。本書は、紆余曲折の10代を歩み、人間不信にまでなってしまった池田知晶さん(24)が、自分を変えるためにヒッチハイクで日本一周した旅エッセイ本である。

『ヒッチハイク女子、人情列島を行く!』(徳間書店)

池田さんは家庭の事情で13歳からアルバイトを始めた。周囲に人としてではなく物のように使われた当時を振り返る。恋人にも大金を貢ぎ、盗撮、土手から突き落とされ、極度の人間不信に陥りニートになる時期もあった。

ヒッチハイクをしようと決意したのは20歳のとき。高校の時に付き合っていた彼氏がヒッチハイクでしっかりした男になったことを思い出したからだ。自分を変えるために日本一周ヒッチハイクを実行し、1年4カ月かけて261台の車に乗り、47都道府県を踏破した。

本書の見どころは、池田さんが経験した旅のエピソードが多く書かれているところだ。

「福島県〜路上パフォーマンスがしやすい県〜」「高知県〜日本一飲みっぷりがいい県〜」など、各都道府県の旅のエピソードは、厳しくも心温まるものばかりだ。「離婚歴がある人は乗せてくれる」といった旅の経験から知った独自のヒッチハイク術、「公務員を名乗る男はたいてい襲ってくる」など、非日常でユーモアあふれるエピソードも魅力のひとつだ。

周囲からはヒッチハイクを反対されていた。しかし、人の出会いに助けられ、池田さんにとって、社会のイメージ、常識、価値観を変える旅となった。悩んで頭を使うより、自分から求めて行動するほうが、物事は良い方向に動くなど、想像を超えるほど多くのことを学んだそうだ。

お金はないけど旅がしたい、新たな出会いを求めたい方にはオススメの1冊だ。
今の自分を変えたい、人とは違う経験を味わいたい方は、本書を読んで、ヒッチハイクを実践してみてはいかがだろうか。(オルタナS特派員=高橋一彰)


『ヒッチはいく女子、人情列島を行く!』

現在、池田さんが取締役COOを務めるProsbeeのホームページはこちら
http://prosbee.com/

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