神戸市は1月18日から28日の11日間、神戸市役所の市民ギャラリーで、住まいの安全・安心未来展「TAIAN PROJECT展示会」を開催する。地震などの自然災害などに備えた建築技術や知識、耐震リノベーションの実例を市民に知ってもらうのが目的だ。(オルタナS関西支局特派員=國松 珠実)

以前の旧グッゲンハイム邸で開催されたトークイベントの様子。みんな熱心に聞き入っている

以前の旧グッゲンハイム邸で開催されたトークイベントの様子。みんな熱心に聞き入っている

同展示会は、行政や民間企業などが「安心な住まいや住まい方」をテーマにギャラリー展示を行うもので、開催中の3日間は専門家などが出演するトークイベントが開催される。その一つが、耐震リノベーションのプロが講演する「みんなで聞こう!リノベーション勉強会」。

戸建てリノベーションを手がけるG-FLAT(神戸市中央区、代表取締役・山野大祐、鈴木美穂)が、リノベーションと耐震補強工事を同時に行う「耐震リノベーション」の重要性を訴える。通常の耐震補強工事は、わざわざ壁や床などをはがして建物の構造部を補強するが、住まいを大規模リフォームする「リノベーション」とともに行うことで作業工程が短縮され、大幅なコストカットが可能になるという。講演では、実際の工事費用や耐震工事助成制度を利用したリノベーションの事例も紹介される。

TAIAN PROJECTとは、神戸市が2016年度から取り組んでいる「耐震で安心PROJECT」を略した造語。1981年5月以前の旧耐震基準住宅に対して耐震化を促すため、民間企業や地域住民とネットワークを組みながらプロジェクトを展開している。

港町・神戸には、今でも古く趣のある邸宅が数多く残るが、旧耐震基準住宅も多い。今後も長く快適に住み続けるためには、リノベーションとともに耐震性の確保が不可欠。今年は阪神・淡路大震災から22年が経過した年でもある。市民の耐震意識を風化させないため、神戸市は引き続き、住まいの耐震化などに関する市民啓発を行っていく予定だ。

[showwhatsnew]

%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%90%e3%83%8a%e3%83%bc