会場には弁護士会など支援団体による相談ブースも設けられる。主催する大阪市社会福祉協議会(同市天王寺区)は「震災を忘れず、継続した復興活動をしていきたい」としている。

このイベント名は「避難者のつどいin KANSAI」。同協議会は月に1回関西に避難してきた人たちを対象に小さなサロンを開いており、今回のつどいもその一環として企画された。年に一度大規模な集会を開くことで、多くの人と現状共有し、今後の支援を考える。

溝渕さん

同協議会大阪市ボランティア情報センター主幹の溝渕肇さん(45)は震災2週間後から4月の上旬まで、宮城県仙台市で全国各地から集まってきたボランティアの受け入れに従事した。

被災地の様子を振り返って溝渕さんは「沿岸部では家も建物も何もない状態のところもあった」と話す。震災のあった年の秋には東北や関東から約230世帯が大阪市の準備した公営住宅などへ避難。現在は約200世帯が暮らしている。避難者からは「故郷に帰りたいが、放射性物質が心配で帰ることができない」との声も聞かれるという。

父親だけ被災地で働き、母子は大阪で暮らす二重生活をしている家庭では、経済的に厳しい状況に陥っている。雇用や公営住宅も期間限定のものが多く、避難者の定住を阻んでいる。溝渕さんは「避難者がこの地で自立して生きるには、職と住居の安定が不可欠。それには行政の協力が必要」と話す 。

当日は100人規模の避難者が参加する予定だ。この他、USJのキャラクターが出演するステージイベントや関西の学生が被災地支援について考えるつどいも行われる。宮城県の県魚である鮭を使用した鮭革のストラップなど復興商品や、東北の郷土料理の芋煮など飲食物も販売予定だ。

「遠く離れた大阪で東北になんのゆかりもない人が被災地について考える。それだけで元気づけられる避難者もいます。節目に開催されるこのイベントで、年に1回でも東北のことを思い出していただければ」と、溝渕さんは話している。(オルタナS関西特派員=穴吹美緒)


震災復興イベント「3.11fromKANSAI」
日時 2013年3月10日(日)10時~17時30分
場所 梅田スカイビル(大阪市北区大淀中1丁目1-88 JR大阪駅または地下鉄梅田から徒歩10分)
「3.11fromKANSAI」ウェブサイトhttp://www.311-kansai.com/

全体企画問い合わせ
社会福祉法人 大阪ボランティア協会 「3.11fromKANSAI係」
〒553‐0006 大阪府大阪市福島区吉野4-29-20 大阪NPOプラザ100号
TEL.06-6465-8391 FAX.06-6465-8393 Eメールoffice@osakavol.org

避難者のつどいin KANSAI
日時 2013年3月10日(日)10時~12時
会場 梅田スカイビル タワーウエスト36階
問い合わせ
避難者のつどい事務局 担当:溝渕・修田
大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア情報センター
TEL.06-6765-4041  FAX.06-6765-5618
※事前申し込み必要

大阪市ボランティア情報センター 

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