4年に一度開催される世界最大のスポーツイベント、サッカーワールドカップの裏側で、「もうひとつのW杯」が開催されている。知的障がい者のワールドカップであるINAS-FID(国際知的障害者スポーツ連盟)サッカー世界選手権大会だ。

 第5回INAS-FIDサッカー世界選手権2010南アフリカ大会に参加した日本代表 ©Koichi Saito / JFFID


サッカーをする知的障がい者は、日本国内だけでも約5000人いる。ルールはFIFAサッカールールとまったく同じだが、発達障がいの度合いによって試合時間が30分ハーフになる(国際試合などは45分ハーフで戦う)こともある。

INAS-FIDサッカー世界選手権大会は、1994年にオランダで初めて開催された。オリンピックとパラリンピックのようにFIFAワールドカップ開催年に同じ開催国で行われる、4年に1度の祭典だ。

INAS-FIDは2000年の時点で、正式加盟国が60の国と地域、準加盟国は26の国と地域におよぶ。知的障がい者のスポーツ振興や社会参加への推進、講習会やセミナーの開催、国際競技規則の確立、記録の管理など、さまざまな活動を行っている。

日本国内で知的障がい者サッカーの統括を行う組織である日本知的障がい者サッカー連盟(東京・府中/略称:JFFID)では、「もうひとつのW杯」と呼ばれるINAS−FIDのサッカー世界選手権に日本代表チームを派遣している。

サウジアラビア、オランダ、ポーランド、 ポルトガル、ハンガリーなど11カ国が参加した第5回INAS-FIDサッカー世界選手権2010南アフリカ大会では、日本は10位に終わった。

だが、その後も国内で活発に試合が行われ、技術の向上が期待されている。連盟では、知的障がい者サッカーを支援するスポンサー企業を募集しており、CSRや広告に活用してほしいとホームページで呼びかけている。(今一生)


日本知的障がい者サッカー連盟