—どうして授業という形態なのでしょうか。
城谷:例えばイギリスでは小学校の頃からCiizenship Educationというグローバルなことを扱う教育が必須で行われていますが、日本ではそのように特化した授業はありません。確かに「総合的な学習」の時間を導入しましたが、現時点では先生方が自発的に行なっている段階で、普及しているとは言えません。
そこで海外で問題になっていることを知ってもらうことで、「それ日本でもあるじゃない」と気がついてもらうひとつの機会になるかもしれません。
世界の現状を知るきっかけを作り、日本の教育現場の問題にも目を向けてもらう機会にもなればと思っています。さらに先生自身も参加して、答えのない問題を一緒に考えることにも大きな意味があります。
また日本のODAの額は、以前は世界一位でしたが現在は下落しており、日本の教育援助に占める基礎教育の額も世界の水準で見れば著しく低いのが現実です。こうした政治的な話題にも目を向け、子どもが政治家に直接問題を訴えることができるのもこのイベントの特徴です。
—子どもたちや国会議員からの反応について教えて下さい。
城谷:とても良い反応を得ました。「自分にも何かできることはないだろうか」「大勢でやれば世界を変えることができると思う」などのコメントが去年は寄せられました。
授業のやり方を変えたこともあってこれまでとは違う反応が得られたのです。こうした感想を読んでいる時がこのイベントにやりがいを感じる時でもあります。
昨年はスマトラ沖地震をテーマにして授業を展開しましたが、現地の子どもたちが被災しながらも頑張っている姿を授業で扱った所、大きな反応が帰って来ました。子どもたちはただ援助を待っているのではなく、努力しているということを取り上げたのが大きかったようです。
子どもならではの視点で問題を取り上げ授業を行ったことで、国会議員からも大きな反応をいただけました。政治家にいかに問題の重要性を認識してもらえるかがこういったアドボカシー活動においては重要なことなので、とても意味のあることだと思います。このように子どもの視点で問題提起をしてもらうことはとても重要なのです。(聞き手・オルタナS特派員=坂田航)
・「世界一大きな授業」公式サイト http://www.jnne.org/gce2013/
・参加申し込みフォーム http://www.jnne.org/gce2013/download.html#download-2