橋下氏が「皆無だ」と否定した、風俗産業での自由意志ではない就労は、深刻な人身取引問題となっている。性風俗産業などで働くために多くの外国人が強制的に連れて来られる日本は、「人身取引受け入れ大国」として、国際社会から厳しい評価を受けている。児童買春、児童ポルノ、売春、性労働の強制など、日本人被害者も多く存在する。

来月6月、米国政府が人身取引根絶を目的に毎年発行する「人身取引年次報告書」が発行される。日本は、現在まで12年連続で「人身取引根絶の最低基準を満たさない国」に位置づけられている。カンボジアや南アフリカと同じレベルとなり、G8では最低ランクである。「特に対策がなされていないことから、今年も厳しい評価になる」とポラリスプロジェクトジャパンは予想する。

同団体は、人身取引問題が日本でなくならない根源の一つとして、「性の売買に関する誤解」と考える。「橋下氏の発言にもあるように、日本ではすべての人が選んで性風俗産業に従事していると考えている。しかし、日本だけでなく世界的に、性風俗や売春産業は子どもや女性・男性の人身取引の温床となっている。

さらに、この産業に従事することは、HIVを含む感染症にかかるリスクや、性暴力やその他の犯罪に巻き込まれるリスクが、他のどの職業よりも高い。日本でも貧困や、障がいや、様々な理由で性を売ることを選ばざるを得ない状況で働かされている人がいる。この機会に改めて売買春に関心を持ってほしい」と、同団体の藤原志帆子代表は訴える。(オルタナS副編集長=池田真隆)

ポラリスプロジェクトジャパンが発表したリリース

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