カネボウ化粧品は7月4日、問題の製品を自主回収すると発表した。7月末の時点で、被害件数は約9000件に及ぶという。この事件の原因として、有力視されているのが、配合されたロドデノールだ。しかし、カネボウ化粧品は、「ロドデノールは、様々な安全性試験を実施して厚生労働省より薬事法に基づく承認を得た医薬部外品有効成分です」とし、直接的な関連とは認めていない。が、自主回収した理由として、「ロドデノールと症状との関連性が懸念されるため、自主回収が適切であると判断をした」としている。

カネボウ化粧品は、開発した美白有効成分ロドデノールとそれを含む化粧品について、2006年夏に、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に対して承認申請をしていた。当該の資料には、安全性試験、有用性試験においても動物実験を行っており、動物を使って「白斑ができないこと」の確認試験も行っていたことが記載されている。

JAVAは、実施された動物実験の内容も公表した。モルモットの背中の毛を刈り、8日間毎日紫外線を照射し、毛を刈った部分に1日1回、28日間続けて、高濃度の薬物を繰り返し塗りこんだ後、再び6日間にわたって紫外線を照射して色素沈着の状況をみる、という実験内容だ。

ラッシュジャパンが今春実施した化粧品の動物実験に関する意識調査では、約9割が「動物実験が必要なほど危険な成分を化粧品に使わないでほしい」と答えていることが明らかになった。特別委員会に対し、この世論の考え方に加え、本件事故原因の調査・究明にあたって、新たな動物実験を行わないよう強く要望している。 

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