本書では、幸せの哲学である「アロハ・スピリット」がカフナの言葉として、随所に散りばめられているが、その一つひとつが、心に響くものばかりだ。たとえば、「大事なのは仕組みではない。マナオ(心)だ」という教え。

これは著者自身が、これまではビジネスモデルや経営戦略といった、「仕組み」こそがビジネスを左右する重要な要素だという考え方を、覆されてしまう。他にも「私のものはすべてあなたのものです。すべてシェアしよう」、「ギブ&テイクではなく、ギブ&ギブの精神が大切である」といった言葉が登場するが、そこに通底するのは、「自分以外の全ての人への思いやりと優しさ」だ。

ここ数年で、企業のCSR活動に代表されるような社会貢献活動や、個人のあいだでも「シェア」の概念が急速に広まった感があるように、時代は競争から分かち合いへ、軸足を移しつつある。

そして、そこへ向かっていくために、利益重視だけではない「心」の部分に、注目が集まっていることも、ある意味、自然の流れと言えるかも知れない。そんな今の時代の空気にふさわしい、ビジネスと在り方と幸せのエッセンスを、「カフナの教え」から是非、学びたい。


『ハワイのカフナから学んだ「幸せ」と「お金」の教え』ルイ龍池著 発行:株式会社あさ出版

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